設計力向上 開発手法と支援ツールの動向・事例
 

第20回:性能と品質の作り込み(中)

中島 康=O2 技術ディビジョン コンサルタント
2012/11/19 00:00
出典:日経ものづくり、2010年10月号 、pp.101-103 (記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
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時間をかけすぎない

 過去20年、ハードウエア性能は著しく進歩し、これに伴ってCAEの解析処理速度も飛躍的に向上してきた。一方で、ユーザーが使用するモデル規模も同等レベルで肥大化しており、解析業務に要する時間がかえって増大する傾向もみられる。

 解析主導型設計にてCAEを用いる場合、解析に要する時間は設計品質を左右する。筆者が支援を行ったメーカーでは非常に作り込まれたCADモデルに対して解析を行っていたため、1つのケースに2~4時間ほどかけて解析(メッシュ作成および解析実行)を行っていた。そのため、1日に1~2ケースしか設計変更の確認ができず、設計改善の効果が得られていなかった。

 そこで、さまざまな手法を用いて解析時間の低減に努め、1ケース当たりの処理時間を15~30分とした。これによって、1日に10ケース以上の設計変更確認が可能になり、設計内容がブラッシュアップされていった。

 では、どのような方法で時間短縮を図ったか。複数の手法を用いたが、代表的なものとしては、
①解析モデルの簡略化
②解析モデルで用いる要素の変更
③解析パラメータの設定変更
などである。

 ①については詳細を後述する。②は、設計者向けCAEでは一般的な仕様としてソリッド(Solid)要素(CAEによって名称が異なる場合がある)でモデルを作成するようになっているが、これをシェル(Shell)要素(同上)でモデル化できるようにCADモデルに修正を加え、解析オペレーションの一部を変更した。これは、板金や薄板構造の製品を用いるメーカーでは非常に有効な手法である(図1)。③は解析精度を上げるという名目のもとでお節介とも取れるほど、モデル再構築処理を何度も繰り返すデフォルト設定を、強引に解除した。

図1●解析要素による処理時間の差
(a)はソリッド要素のみ、(b)はシェル要素を多用。作成時間が1.55分(1分33秒)から0.1分(6秒)へ減少した。
[画像のクリックで拡大表示]

 これらの処置は、CAEを導入したばかりの部署においては非常に特殊なことに映ったようだが、昔から解析を実施してきた企業や部署では、貧弱なハードとソフトでそこそこの精度を有した解析結果を得るために、ごく普通に行われてきた手法である。

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