設計・生産 ものづくり現場の競争力アップに貢献する
 

後編:資源の乏しい国、日本のやるべきこと

西成活裕=東京大学先端科学技術研究センター教授
2012/10/05 00:00
出典:日経ものづくり、2009年2月号 、pp.4~6 (記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
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「渋滞学」から「無駄学」へ

 数学と物理のちょうど中間くらいの領域は本当に面白い。人類の知恵はそこに集結していますから,その武器で負けたら,人類はもうギブアップだと。最後の砦だと思うと燃えるでしょ?渋滞に興味を持ったのも,自分がやってきた数学や流体力学を社会に役立てたかったからです。なるべく人がやってない領域で,しかも実現すれば効果がものすごく大きいものを探していたんですね。

 交通渋滞による年間の経済損失は国内だけで12兆円。インパクトはでかい。しかも,流体力学の専門家は,ほとんど水や空気を対象としていますから,クルマや人の流れ,物の流れなんて,ほとんど誰も手掛けていなかった。それに私,混雑とか行列が嫌いでして(笑)。もうこれしかないと思いました。

 その渋滞学をやっているうちに「無駄学」につながった。物の停滞・渋滞はムダの典型です。そこで「ムダとり」で有名なPEC産業教育センター所長の山田日登志氏や副所長の山崎昌彦氏と話した途端,意気投合したんです。

 それからムダとは何かを考え始めたんですが,私には生産現場の体験が欠けているなと痛感しました。そこで山田氏に頼んで何度もムダとりの現場に同行させてもらったんですが,これがだんだん楽しくなってきて。改善の進んだ日本の工場では難しいけど,先日行った中国の工場では「あ,あそこにムダ。お,そこにも」ってどんどん見え始める。うれしいですよ,見えると。

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