ハイテク関連輸出の未来を阻む3つの問題

 明日の首脳会談では、単に問題を話し合うだけではなく何らかの解決策を生み出さなくてはならない。英国のハイテク関連輸出の未来のために取り組まなければならない主要な問題が3つある。

 第1の問題は執行機関の不足だ。中国の裁判所は、正しい決定を導き出す傾向にある。しかし、その決定ですべてが終わってしまうように思える。その後の動きが存在しないためである。昨年、私たちはYongkang Yixuanという中国企業を知的財産の侵害で訴え、勝訴した。また上告審でも勝訴することができた。しかし、この企業はいまだにWeb上で模倣品を売り続けているし、おそらく小売店でも販売しているだろう。

 支払わなければならない賠償金の額が少なすぎるということだ。多くの場合、賠償金は模倣品を売り続けることによって中国企業が得られる利益よりもずっと少ない額なのである。企業に罰金を強制的に支払わせない場合、法律はさらに役に立たなくなる。法律を守らせるためのメカニズムが存在しないことになるからだ。このため、多くの企業が儲かる可能性に賭けてしまっている。

 2つ目の問題は、国内と国外で、特許を申請してから取得するまでの時間差があるということ。ダイソンは現在、ある特許が認定されるのを3年以上待ち続けている。同じ技術分野で、国内企業がある特許を9カ月で取得したこととは対照的だ。

 最後の問題は、中国は主要な経済大国で唯一、特許侵害が起こった場合にその特許の申請者を素早く見つけ出す手段を持っていないことだ。このことが可能になれば、新しい技術の開発に投資した企業が違反者から確実に守られる。特許が認定されるまでは、認定の遅れを利用しようとする人たちを止めることができない。知的財産を上手に守るためには、企業が自分たちのアイデアを守るために素早く動くことを可能にするメカニズムが必要なのだ。

 私たちの採れる手段は限られていてお金がかかり、さらに悪い習慣を防ぐことができない。私たちがお金のかかる方法を用いて特許を守らなければならない状況はおかしい。知的財産に関して国際的な基準を導入することは、究極的には中国の利益になる。私は行動が起こされることを期待している。