9カ月くらい後,追加の撮影をした。そのころには,ソニーからラフなカメラのプロトタイプが届いていた。すごくでかくて,ケーブルが何本も出ていてね。これを使って2週間,デジタルで撮影してみた。これでいろんなことが分かり,ソニーと頻繁にアイデアをやりとりした。そこで彼らに言った。OK,18カ月後にエピソード2を撮り始める。それまでにカメラを完成してほしい。

 彼らはスケジュールに間に合うように本当に頑張った。僕らはレンズの開発で,Panavision社の協力を取り付けた。この結果,エピソード2では完全にデジタルで撮影し,データをコンピュータに取り込んで,ILMがすべてデジタルで処理をして,映画が完成した。

 僕らは,フォトリアリスティックで自分でしゃべるキャラクターを,初めてデジタル技術で生み出してきた。ジャー・ジャー・ビンクスのことさ。この映画では,ソニーと協力してカメラを改良したほか,フジノンもレンズを作り始めた。エピソード1では,ヨーダをデジタルで作ろうとしたが,うまくいかなかった。2本目には間に合って,今回はすごく良くなった。

 僕らにとってのカギは,スタッフがシステムの使い方に慣れたこと。映画にかかわった全員が,このメディアの中で,どう仕事を進めるのかを学んだ。エピソード2は,僕らにとってトレーニングだった。そしてエピソード3で,それがついに本物になった。