WLP内での採用が進む
ディスクリートの受動部品は,電子機器の筐体内やパッケージ内で主に使われている。これに対してIPDには大きな利点があるため,WLP内でも利用されるようになるだろう。TSVによるパッケージング技術が進化することで,高性能のRF回路向け実装を可能とすると期待している。
また,3次元積層向けTSVとIPDを使ったインタポーザは,先端ロジックLSIに付加価値を与える。最先端ラインによる配線ピッチを,低いコストでプリント基板に適用することを可能にするためだ。この手法の利点は,電気的な性能や消費電力が優れることに加え,小型で低コストなことである。
なおIPDは,LSIの旧世代ラインと最新のWLPとバンプ形成ラインの両方で製造する。ダイオードのような能動回路部の製造には,そのためのLSI製造ラインが必要となる。ディープ・トレンチによるキャパシタは,大容量で高密度のIPDに使われており,その製造にはTSVプロセスで必要なDRIE(deep reactive ion etching)と薄膜形成の技術を使っている(図13)。