Siインタポーザなど実装へも展開

 今後,IPDの応用範囲はさらに拡大するだろう。特にTSVによる垂直配線でIPD間を接続するようになれば,Siインタポーザのような新しい応用が市場に多数登場することになると,われわれは予測している。実際,多くのIPDメーカーが,Siインタポーザによってパッケージ基板内の高密度配線が可能になると考えている(図11)。

図11 SiPやWLPにIPDを利用した開発が進む<br>(a)SiPにIDPを適用した開発事例。オランダNXP Semiconductors社のデータ。(b)IPDで実現したSiインタポーザをファンアウト型WLPに適用したイメージ。著者のデータ。
図11 SiPやWLPにIPDを利用した開発が進む
図11 SiPやWLPにIPDを利用した開発が進む
(a)SiPにIDPを適用した開発事例。オランダNXP Semiconductors社のデータ。(b)IPDで実現したSiインタポーザをファンアウト型WLPに適用したイメージ。著者のデータ。
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 Siインタポーザの応用では,デカップリング・キャパシタがある。これによって,ロジックLSIの消費電力は低減できる。デカップリング・キャパシタは,ロジックLSIのすぐ近くに置くためパッケージ内に実装する。キャパシタとLSIとの距離である「デカップリング・ループ」を短縮することによって,特に高速動作のデジタル回路で,デカップリングによるパワー・インテグリティの問題を抑制できる。

 ロジックLSIの応用では,FPGA(field programmable gate array),マイクロプロセサ,グラフィックス処理プロセサ,ベースバンド処理LSI,医療用プロセサなどにおいて,IPDによるデカップリング・キャパシタの利用が有効である。