パッケージと基板のギャップが課題

図5 LSIとプリント基板のピッチ・ギャップを埋める技術が必要<br>半導体の微細化が進む一方,プリント基板の微細ピッチ化はそれほど進まず,数百倍に達している。電子情報技術産業協会(JEITA)の「次世代実装技術G報告書」を基に筆者の作成。
図5 LSIとプリント基板のピッチ・ギャップを埋める技術が必要
半導体の微細化が進む一方,プリント基板の微細ピッチ化はそれほど進まず,数百倍に達している。電子情報技術産業協会(JEITA)の「次世代実装技術G報告書」を基に筆者の作成。
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図6 Siモジュール基板を導入<br>パッケージとプリント基板の間のギャップを埋めるため,Si基板をモジュール基板として使っていく。電子情報技術産業協会(JEITA)の「次世代実装技術G報告書」を基に筆者の作成。
図6 Siモジュール基板を導入
パッケージとプリント基板の間のギャップを埋めるため,Si基板をモジュール基板として使っていく。電子情報技術産業協会(JEITA)の「次世代実装技術G報告書」を基に筆者の作成。
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図7 配線の本数と線幅/線間隔の関係<br>150μmピッチのFBGAの場合,端子パッド間に1本の配線を通すと線幅/ 線間隔は20μm/ 25μm,2本通すと14μm/14μmが必要なる。筆者のデータ。
図7 配線の本数と線幅/線間隔の関係
150μmピッチのFBGAの場合,端子パッド間に1本の配線を通すと線幅/ 線間隔は20μm/ 25μm,2本通すと14μm/14μmが必要なる。筆者のデータ。
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 次に,高性能化に伴って半導体の微細化が進むだろう。しかし,プリント基板の微細ピッチ化はそれほど進まず,数百倍に達している。今後もこのギャップが縮まることは考えにくく,実装技術の大きな課題となっている(図5)。この状況の打開に向けて,Si基板の導入が拡大していくだろう。

 半導体チップとパッケージの間では,Siインターポーザが使われるようになってきた。主に50μm未満の微細パッド・ピッチを対象に,電極のファンアウト用にSiインターポーザが使われている。Siインターポーザは高速信号の伝送にも効果があり,一部では受動部品を内蔵したパッケージも実用化されている。

 パッケージとプリント基板の間のギャップ解消に向けては,今後FBGAの端子ピッチが150μm以下になるところをメドにSi基板をモジュール基板として使うことになるだろう(図6)。150μmピッチのFBGAの場合,端子パッド間に1本の配線を通すと線幅/線間隔は20μm/25μm,2本通すと14μm/14μmが必要なる(図7)。これに対し,Si基板は1/10程度の配線ピッチでパターニングできる。例えば2μmピッチで配線すれば34本を通すことができる計算になる。この結果,Si基板を使うことによって2層で済ませられるようになる。