これまで実装技術は,大型コンピュータの高性能化のために開発した技術を,携帯電話機など民生機器の小型化のために転用して量産展開してきた。その中でビルドアップ基板やBGA(ball grid array)などの利用が拡大していった。この意味で,携帯電話機は新しい技術を生み出すのではなく,既に生み出されていた技術の応用範囲を拡大する役割を担ったということができる。ここへ来て携帯電話機の成長鈍化により,このような流れに目詰まりが起きている。その結果,今後の実装技術は再び「高性能化」に回帰することになりそうだ。

(日経マイクロデバイス)

大型コンピュータ向けに開発した実装技術を携帯電話機などに応用
大型コンピュータ向けに開発した実装技術を携帯電話機などに応用
1990年代前半までは,大型コンピュータの高性能化を実現するために,新しい実装技術を開発していった。1990年代後半に入ると,大型コンピュータ向けに開発された実装技術を,携帯電話機を中心とした民生機器向けの小型化技術として応用展開していった。今後は,再び高性能化のための実装技術を開発する時期になる。開発した技術が将来登場する民生機器へ応用できる可能性が高いからである。筆者のデータを基に本誌が作成。