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現地の評価は、なぜ低い(前編)

白木 三秀=早稲田大学 政治経済学術院 教授
2012/09/10 00:00
出典:日経エレクトロニクス、2011年8月8日号 、pp.16-17 (記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
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 BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)やASEAN(東南アジア諸国連合)といった、急成長が続く新興国市場への日本企業の投資が増大している (図1)。多国籍に展開する企業が競争優位性を確保する際に求められるのは、国際的な視野を持ち、グローバルに活躍できる、いわゆる「グローバル人材」である。

図1 活気あふれるアジアの新興国
図1 活気あふれるアジアの新興国
中国や東南アジアなどでは、日本企業による市場開拓や生産移転の動きが活発だ。(写真:左下の1点は日経ものづくり)

 代表例は、本社から各国に派遣される海外派遣者だ。その多くは、現地の生産技術や経営/管理などを担当する専門家である。本来、海外派遣者は本社の経営 理念やノウハウを体現する人材であれば十分で、国籍を問う必要はない。日本企業であっても日本人だけを赴任させる必然性はなく、極端な場合、他の国から第 三国籍の人を派遣しても構わないはずである。

 だが、実態として日本企業の海外派遣者は、日本人であることがほとんどだ。日本企業は“多国籍”というより、 むしろ現地人スタッフと日本人派遣者だけの“二国籍”と呼ぶ方が実情に合っている。

日本人派遣者の評価を調査

 では、日本から赴任する海外派遣者は、現地人スタッフからどのように見られているのか。これを調べるため、我々の研究グループは2008年度から2年を かけて、アジアの日系企業を対象に大規模な調査を実施した。この数年、アジアの国や地域では日本人の海外派遣者の人数が増大している(図2)。この 派遣者の「適性」「ミッション達成度」「現地の部下や同僚との関係」といった内容について、製造業や流通・サービス業などの業種でアンケート調査を試みた (調査の概要を参照)。そこから浮かび上がってきたのは、現地人スタッフから見た日本人派遣者の評価の低さだ。

図2 アジアを中心
図2 アジアを中心に海外派遣者は増加
日本企業の海外派遣者数は、2009年に22万9026人。2004年ごろからアジアを中心に増加した。アジアへの海外派遣者数は2009年に13万2116人で、このうち中国への派遣者が半数以上を占める。『海外在留邦人数統計』(外務省)のデータから。海外での「長期滞在者」のうち、「民間企業関係者」の「本人」を海外派遣者として数えた。
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