「メモリー市場で首位の座は譲らない」。韓国Samsung Electronics Co.,Ltd.のメモリーの研究開発を指揮するWon-SeongLee氏はこのような決意を示す。日本勢の猛追で市場シェアを落としつつある同社は,微細化での先行や次世代メモリーの量産化によって巻き返しを図る。メモリーの開発競争での勝算を同氏に聞いた。

1992年,韓国Samsung Electronics Co., Ltd.に入社。1998 年,同社Vice President of Technology Development Team。DRAMやフラッシュ・メモリーの量産向け開発を担当。2004年,同社Senior Vice Presidentに就任。2007年から現職。

DRAMではエルピーダメモリ,NAND型フラッシュ・メモリーでは東芝が,2008~2009年に世界シェアで首位を獲ると宣言しています。危機感はありませんか。

 もちろん危機感はあります。シェア首位を何としても守りたいと考えており,そのために必要な投資をしていきます。われわれの強みは,投資効率で常に他社を上回ってきたことです。技術開発で差を付け,その段階で積極投資に踏み切る戦略でそれを実現してきました。この戦略を今後も貫きます。

圧倒的な投資額でシェアを維持してきたという印象があります。

 投資額だけで勝負してきたとは思っていません。設備投資に先立つ技術開発力でナンバー・ワンの座を勝ち得てきたのです。あくまでも,技術力がわれわれの競争力の源泉です。