(写真:厚川千恵子)

 われわれ韓国Samsung Electronics Co.,Ltd.のシステムLSI部門注1)は,携帯電話機向けの総合的なLSIソリューションに注力する。携帯電話機は,デジタル・カメラや携帯型ゲーム機,自動車向けナビゲーション・システムといった他のモバイル機器に比べて圧倒的に台数が11多いからである(図1)。もちろん,携帯電話機以外の分野を無視するわけではない。実際,デジタル・カメラ向けプロセサの開発にも力を入れている。しかし,最優先するのは,あくまで携帯電話機向けLSIソリューションである。

図1 ●数量の多い携帯電話機向けLSI に注力
図1 ●数量の多い携帯電話機向けLSI に注力
携帯電話機向けにLSI ソリューションを提供する。米Gartner Group,米iSuppli Corp.の市場予測データを基に韓国Samsung Electronics Co., Ltd.が作成。
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注1)Samsung Electronicsには五つの事業部がある。半導体事業部,液晶事業部,テレコム・ネットワーク事業部,デジタル・メディア事業部,デジタル・アプライアンス事業部である。このうち,半導体事業部は全体の売り上げの1/3を占めている。半導体事業部の中には三つの部門がある。メモリー部門,システムLSI部門,ハード・ディスク部門である。今回はシステムLSI部門について解説している。システムLSI部門は2004年に28億米ドルの売り上げを達成した。ビジネス分野は,(1)ディスプレイ向けドライバLSI事業,(2)モバイル・ソリューション事業,(3)ホーム&メディア事業,(4)ASIC&Siファウンドリ事業の四つに分かれている。