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第1回:2枚の反射板で光を真っすぐ遠くへ

ライティング機器

中山 力=日経ものづくり
2012/08/06 00:00
出典:日経ものづくり、2012年5月号 、pp.68-69 (記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
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 東京スカイツリーを鮮やかに彩るライティング機器は、パナソニックが開発した*1。全ての照明にLED(発光ダイオード)を採用し、HID(High Intensity Discharge)ランプを併用したときと比べて消費電力を約4割削減する*2

*1 ライティング機器のパートナー企業に決まった2010年3月当時はパナソニック電工としてだった。照明コンサルタントはシリウスライティングオフィス(本社東京)、照明機器施工は電気興業。
*2 粋パターンで約43%、雅パターンで約38%の省エネ効果がある。いずれも、時計光照明や鉄骨交点照明にLED照明、これら以外にHIDランプを採用した場合との比較。

 しかし、東京スカイツリーの照明設計では当初、HIDランプを中心に使うことが考えられていた。そのため、機器の大きさや取り付け位置、質量はHID向けとなっており、そうした制約を満たすためには、新たなLED照明を開発する必要があった。

 HIDランプを前提に設計した光量を確保するために、LEDを設置する数を増すといった方法は選べない。そのため、LEDの技術だけでなく、その光路を制御する「パラボラ曲面反射板」の開発が焦点となった。

140m先まで明るくする

 東京スカイツリーのライティング・パターンとしては大きく「粋」と「雅」という2種類がある(図1)。これらを実現するために必要だったLED照明器具は6種類で、合計1995台が設置されている(図2*3

*3 雅パターンでは、塔体の足元周囲に設置した雅色の照明で上に向かって鉄骨の外側を照らす。両パターンに共通するゲイン塔の照明は、ゲイン塔の根元部分からゲイン塔の上部をライトアップし、ゴールド色の照明は地上や展望台の下側などから鉄骨を照らす。

図1●東京スカイツリーにおける主なライティング
塔体の内側を青色系の光で照らし出す「粋」パターン(左)と、鉄骨外周を「江戸紫色」系の光で下側から照らし、さらに鉄骨交点から点状の光を出す「雅」パターン(右)がある。両パターンで、ゲイン塔の上部を照らすゲイン塔の照明、展望台を2秒間で1周するように点滅する時計光の照明は共通する。画像:©TOKYO-SKYTREE
図2●使用されるLED照明器具
「粋」色の照明と鉄骨交点の照明はRGB(Red:赤、Green:緑、Blue:青)3色のLEDが混在した構成。「雅」色の照明、ゴールド色の照明、ゲイン塔の照明の3種は光の到達距離を伸ばすパラボラ曲面反射板を搭載する。雅色の照明では青色LEDと蛍光体で「江戸紫色」を表現し、ゴールド色の照明ではアンバー色(琥珀色に近い色)のLED4つ、白色LED2つを混色する。ゴールド色で使った白色LEDはゲイン塔の照明でも使われているが、ゴールド色の演出上、調光(減光)して使っている。なお、写真では鉄骨交点の照明が赤色っぽく写っているが、実際にはゴール色に近い色となる。
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