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第15回:戦略6--チラーは外に持っていく(下)

OKI 富岡工場

高野 敦=日経ものづくり,高田 憲一=日経ものづくり
2012/08/10 00:00
出典:日経ものづくり、2011年7月号 、pp.38-65 (記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
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冬は排熱で暖房

 第14回で紹介したように、OKIの富岡工場(群馬県富岡市)では、チラーの屋外移設を本格的に検討した。その際に留意したことは、2つある。1つは、チラーが屋外の過酷な環境に耐えられるかということ。夏季の屋外の気温は、日陰が30℃、日なたが40℃ぐらいである。一方、カタログに書かれていた環境温度の上限は43℃。これなら屋外に置いてもギリギリで問題は起きないと判断した。

 もう1つは、屋外に設置することで冷却水の配管が長くなっても、発振器をきちんと冷却できるかということ。冷却という本来の役割を果たせないのでは、本末転倒だからだ。これについては、実際に配管を長くした上で冷却できるかを調べる実験を行い、問題がないことを確認した。

 当時、レーザ加工機およびチラーは部品加工を行うC棟に8台ずつあった。そこで、2010年の夏を迎えるに当たり、3台のチラーを屋外に移した(図1)。これにより、C棟で稼働するエアコンは13台から11台に減った。電力および電力量の削減効果は、電力が約20kW、電力量が約6万5000kWhに上るという。「移設前は効果がないと思っている人が多かったが、実際には予想していたよりもはるかに高い効果が得られた」(同社生産本部製造部部長の山科良宣氏)。

図1●チラー屋外移設の進捗状況
夏期は、チラーを屋外に移設することで、冷房による消費電力を減らした。冬期は、チラーの排熱を複数の建物に効率良く配分することで、重油による暖房を全廃できる見通し。チラーだけではなく圧縮機の排熱も使う。圧縮機の排気温度は60℃程度とチラーよりも高いので、効果は大きい。C棟に残った3台のチラーは老朽化しているため、新品と交換する際に屋外移設する予定だ。
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 その際、単にチラーを屋外に移設しただけではない。冬期は、チラーの排熱をC棟以外の建物の暖房にも使えるように、ダクトを取り付けた(図2)。実は、もともとC棟では全ての暖房をチラーの排熱で賄っていた。3台を屋外に移したので、C棟内のチラーは5台に減ったが、それでもC棟の暖房には十分な量の熱を確保できていた。

図2●排熱を供給するためのダクト
C棟とB棟の間にチラーを設置し、冬は排熱をB棟に供給する。
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