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HOMEスキルアップマネジメントスポーツ、未開の大陸 > 第2回:ソニーの挑戦、「鷹の目」で実現する脱売り切り

スポーツ、未開の大陸

第2回:ソニーの挑戦、「鷹の目」で実現する脱売り切り

  • 大下 淳一=日経エレクトロニクス
  • 2012/07/26 00:00
  • 1/3ページ

 へぇ、面白い技術だな――。

 ソニー 副社長の吉岡浩氏は、テレビのテニス中継で流れる映像に大きな興味を抱いた。

2012年7月7日のウインブルドン選手権 女子シングルス決勝戦で「チャレンジ」が行われた場面。CGで再現されたボールの軌跡が、コート脇のスクリーンに映しだされた。
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 「テニスが好きでね。テレビを見ていたら、ライン判定にボールの軌跡を3次元グラフィックスで表示する仕組みを使っていた。すごい技術だなと感心して調べていたんです」。吉岡氏は、こう振り返る。

 最近、ウィンブルドン選手権をはじめとするテニスの主要トーナメントでは、「チャレンジ・システム」が競技の娯楽性を高める重要な役割を担っている。ボールのライン・イン/アウトに微妙な判定が下された場面で、自動ライン判定システムによる判定を選手が審判に要求できる仕組みだ。吉岡氏が見たのは、このシステムだった。

 テレビ中継の映像に感心した翌日、吉岡氏は驚いた。この判定システムを開発する企業が、買収案件として自分の手元に上がってきたからだ。ほぼ即決で買収を決めたという。2011年3月にソニーが買収した英Hawk-Eye Innovations社である。テニスの自動ライン判定システム「The Hawk-Eye Officiating System」の開発を手掛ける企業だ。

試合を丸ごとデータ化する

TRACAB社のシステムを使うと、試合中の各選手の総移動距離やプレー・エリアなどをデータ化できる。データスタジアムはこれらのデータを、テレビ中継やWebサービス向けに提供している。(写真:データスタジアム)
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 この買収を大きなキッカケの一つに、ソニーはスポーツ分野に注力する姿勢を打ち出した。2012年2月に「スポーツ&スタジアム事業推進室」と呼ぶ新組織を立ち上げたのだ。同社はこれまでも、各種スポーツの世界大会のスポンサーや、放送機器の分野でスポーツ関連ビジネスに関与してきた。新組織では、各種のスポーツ競技が行われるスタジアムを舞台に、試合中のプレー内容にまで踏み込んだコンテンツやサービスを売り込んでいく。

 実は、Hawk-Eyeのように“試合中のプレーを丸ごとデータ化する”という取り組みは、スポーツ分野の大きなトレンドになっている。実験室では得られない、アスリートの“本気”のパフォーマンスをデータ化できる強みがある。

 例えば、試合中の選手やボールの動きを丸ごと定量化する技術には、スウェーデンTRACAB社のトラッキング・システム「TRACAB image tracking system」がある。サッカーで採用が進んでおり、2010年のワールドカップ(W杯)南アフリカ大会や、スペインのプロ・リーグに正式採用された。日本でも2011年度のシーズンから、Jリーグへの試験導入が始まっている。

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