独自の視点で福島第一原子力発電所事故の全容解明を進める桜井淳氏が、今なお未解明の問題に切り込む。放射性物質の漏洩ルートと、2号機の原子炉格納容器圧力抑制室の損傷原因だ。放射性物質は一体どこから漏れたのか、2号機の原子炉格納容器圧力抑制室はなぜ損傷したのか――。(日経ものづくり)

イラスト:山井淳一

桜井 淳(さくらい・きよし)
物理学者・技術評論家
1946年群馬県生まれ。1976年に東京理科大学理学研究科物理学専攻課程を修了し、同年から旧日本原子力研究所(現日本原子力研究開発機構)で材料試験炉(JMTR)の炉心安全解析に従事。1984年から旧原子力工学試験センター・原子力安全解析所(原子力安全基盤機構システム安全解析部)で原子力発電所安全審査のためのクロスチェック安全解析に携わる。1988年に原子力工学試験センターを退職し技術評論家となる。原子力発電の安全に関わる技術評論を中心に著書多数。