公開当日,米Panavision Inc.のRafael Adameは,同僚と共に職場を抜け出し,映画館へ駆け付けた。映画を見終えたRafaelは,「このカメラ(HDW-F900)を使えるようにしたのは自分だってことを,とても誇りに思った」という。Rafaelはこのときのチケットを,今も記念に取ってある。

Rafael Adame’s ticket from the opening of Episode Ⅱ
(photo courtesy of Rafael Adame)
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 ソニーの三上泰彦は,ロンドンにいた。5月16日,英国での封切日にデジタル上映の劇場へ赴く。本編が終わり,5分に及ぶ長いクレジットの表示の後,劇場にただ一人残った彼は,画面に次の一言を見た。「日本のソニー厚木のエンジニアすべてに,特別な感謝を捧げる」。三上によると,一般公開の開始が7月と,他国と比べて遅かった日本で,Lucasfilm社はソニーの開発グループを東京に集め,先行上映会を催したという。

 ILM社のFred Meyersは,米Texas Instruments Inc.のデジタル・プロジェクタのおかげで,映画の撮影中に映像の出来映えを大画面上で確かめることができた。フィルムの現像を待たずに,彼は映画がどう見えるかを知っていた。それでも,「『これって見た通りじゃん』って感じじゃなかった。それよりも,『ワオ,僕らはやり遂げたんだ』って」(Fred)。

 THX社のRick Deanは,5月12日にロサンゼルスで開かれたプレミア上映会に参加した。彼が,また同じ映画を見る機会に恵まれて,それほど熱狂しなかったのは言うまでもない。「だけど,ライトが消えて「STAR WARS」の文字がスクリーンに現れ,250人が一斉に叫び出すのを聞いたら,本当に報われた気がしたよ」(Rick)。2002年の7月までに,Rickがエピソード2を見た回数は,優に100回を超えていた。

Lucasfilm’s Tech Savvy

 これで物語が終わるわけではない。エピソード1と2が開拓したデジタル技術は,「エピソード3/シスの復讐」で成熟した姿を見せることになる。Lucasfilm社とILM社に,成功の余韻に浸っている時間はそれほどなかった。