設計・生産 ものづくり現場の競争力アップに貢献する
 

第3回:まずコンセプト、技術はその次だ

小林三郎=中央大学 大学院 戦略経営研究科 客員教授(元・ホンダ経営企画部長)
2012/07/23 00:00
出典:日経ものづくり、2012年3月号 、pp.106-112 (記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
印刷用ページ
日本初のエアバッグを開発した小林三郎氏(写真:栗原克己)
日本初のエアバッグを開発した小林三郎氏(写真:栗原克己)

――イノベーションは何を手掛かりにして進めればよいのか。

 そもそも、イノベーションは未知の分野への挑戦である。これは、過去のデータがないので分析ができないことを意味する。どこから始めればよいかすら分からないので論理的思考も武器にはならない。では何を武器とすればよいのか。

 皆さんは拍子抜けするかもしれないが、繰り返し徹底的に考え続けることである。最終的な目標(実現したい価値)と、最初の攻め口、目標にたどり着くためのアプローチ、必要な要素技術の特定とその開発など考えることは山ほどある。

 こうした課題を一つひとつ潰し、イノベーションを成功させるには熟慮を重ねるしかない。そして、課題を潰すための突破口になるのが、コンセプトなのである。コンセプトとは何か。それはSteve Jobsのやったことを考えてみればいい。それまでになかったパソコンを商品化し、国や大企業の研究所にしかなかったコンピュータを個人で使えるようにした。今でこそ当たり前となった、自分の能力を拡大するための個人向けコンピュータ、つまりは「パーソナル・コンピュータ」は、まさに画期的なコンセプトだった。

 ご存じの通り、Jobsはパソコンだけではなく、いつでも音楽を購入してすぐに聴ける「iPod」と「iTunes」、スマートフォン「iPhone」、タブレット型端末の「iPad」を商品化した。いずれも卓越したコンセプトの商品である。Jobsはコンセプトづくりの天才だった。

【技術者塾】(9/14開催)
「エスノグラフィック・インタビュー」(行動観察実践編)

~潜在ニーズを見つけてヒット商品を生む~


ヒット商品づくりに必要な「潜在的な(未来の)ニーズ」を発見する方法を学びます。人間中心設計(HCD)と「エスノグラフィック・インタビュー」の概要を理解した後、演習を実施。観察やインタビューから新しいユーザー価値を見いだすまでの過程を体験的に学べるブログラムです。 詳細は、こちら
日時:2015年9月14日(月)10:00~17:00
会場:Learning Square新橋(東京・新橋)
主催:日経ものづくり
コメントする
コメントに関する諸注意(必ずお読みください)
※コメントの掲載は編集部がマニュアルで行っておりますので、即時には反映されません。

マイページ

マイページのご利用には日経テクノロジーオンラインの会員登録が必要です。

マイページでは記事のクリッピング(ブックマーク)、登録したキーワードを含む新着記事の表示(Myキーワード)、登録した連載の新着記事表示(連載ウォッチ)が利用できます。

協力メディア&
関連サイト

  • 日経エレクトロニクス
  • 日経ものづくり
  • 日経Automotive
  • 日経デジタルヘルス
  • メガソーラービジネス
  • 明日をつむぐテクノロジー
  • 新・公民連携最前線
  • 技術者塾

Follow Us

  • Facebook
  • Twitter
  • RSS

お薦めトピック

日経テクノロジーオンラインSpecial

記事ランキング