写真:栗原克己

 日本初のエアバッグを造り、それを世界標準に広めた技術者でホンダの元経営企画部長の小林三郎氏に、イノベーション力を高め、画期的な商品を生み出すための実践的方法論を聞く。同氏はまず、経営陣によるイノベーション軽視がまん延する日本企業から、画期的な製品が生まれないのは当然と指摘する。その上で、イノベーションを巡る閉塞感を打ち破るための道筋を語る。

小林三郎(こばやし・さぶろう)
中央大学 大学院 戦略経営研究科 客員教授(元・ホンダ経営企画部長)
1945年東京都生まれ。1968年に早稲田大学理工学部卒業。1970年、米University of California, Berkeley工学部修士課程修了。1971年に本田技術研究所に入社。16年間に及ぶ研究の成果として1987年,日本初のエアバッグの量産に成功。2000年にはホンダの経営企画部長に就任。2005年12月に退職。2010年4月から現職。『日経ものづくり』と日本経済新聞電子版で「ホンダ イノベーション魂!」を連載。2012年7月30日に「ホンダ イノベーションの神髄」(日経BP社)を上梓の予定。