海外で自分たちのサービスが通用することを実感したい

――2012年の展望については、昨年に引き続きグローバルとスマートフォン展開ということになるのでしょうか。

田中氏:確かにスマートフォンを中心に、グローバルでソーシャルゲームのプラットフォームとゲームの両方を出している会社は世界を見渡しても少ないですね。グローバル展開とスマートフォンの強化は今年も継続します。それに加えて、日本国内において何か新しいイノベーションを起こしたいと思っています。なんと言っても、日本はモバイル・ソーシャルゲームが一番進んでいる国ですから。

――2012年にクリアしたい目標などがあれば教えてください。例えば会員数は、2011年の目標が1.5億ユーザーで現在は1.9億ユーザーまできました。2012年には3億ユーザーを目指すということですが、1年であと1億ユーザー以上増やすのはかなり難しくありませんか。

田中氏:FacebookやTwitterを考えてみてください。1年間で1億、2億のユーザーを増やすなんて当たり前の話です。Facebookがどこで伸びているのかというと、全世界ですよね。ソーシャルゲームの成長性についても、いかに彼らのような感覚に近づけるかが重要だと思います。日本も引き続き増加が見込めますし、さらにグローバルでの飛躍も期待できるので、合わせてそれくらいの数字を目指していきたいと考えています。

 日本では既に3000万ユーザーの会員がいるのですが、現在スマートフォン自体が猛烈に普及しています。それを見ればまだまだ伸びしろはありますし、もっと会員が増えても全くおかしくはありません。携帯電話だって高性能になってますし、通信環境も良くなっていますから今年も会員が増えるのは当然だと思います。

――今年、海外で特にフォーカスしている地域はありますか。

「日本でも新しいイノベーションを起こしたい」と話す田中氏

田中氏:アフリカ以外については、全部のエリアを同時にやればいいと思っているんです。Facebookの経営陣だって、どこをフォーカスしているかと聞かれれば、全部と答えるのではないでしょうか。

 僕からすると、それは「今年は日本を伸ばしますが、特に青森と神奈川に注目してます」と言っているようなもので、あまり意味を持ちません。むしろ、そういう点にこだわらずにビジネスを展開していけるかどうかが問われているような気がします。

 グローバル展開における実際のマネジメントについては意識改革も必要ですが、まずは「そんなに難しいことではないんじゃないか」と考えることが重要だと思っています。

 ただ、逆説的に考えると、日本人は日本全体で通じることと、自分が住んでいる県でしか通じないことを、無意識のうちに切り分けて理解しながら生活しています。海外が相手だとそういうレベルにまだないから、意識的に切り分けて考えるようにする必要があると思います。早くそうした意識せずにやっていけるようになりたいですが、去年は海外にオフィスを作っただけなので、今年はグローバルで自分たちのサービスが通用することを各日に実感できるようにしていきたいですね。

――どうもありがとうございました。

この記事は日経トレンディネットから転載したものです。