カードバトルゲームに続くソーシャルゲームは?
――ソーシャルゲームのユーザー層は、これまでの家庭用ゲーム機のユーザー層と違いますか。
田中氏:「最近のゲームは難しいな」とお感じになられていた方がソーシャルゲームに入って来られたので、幅が広がりましたね。従来では取り込めなかった層を取り込むことができました。
ただ、ソーシャルゲームを遊ばれて、楽しいと感じられた方は、よりクオリティの高いものを望まれるようになりますから、そのようなニーズに対応するために、よりクオリティの高いコンテンツを提供していきます。また“トリプルA”タイトルをソーシャル化する傾向にもあります。
――ソーシャルゲームのゲーム性は今後、変わっていくのでしょうか。
田中氏:変わっていくと思います。今は『ドラゴンコレクション』を筆頭としたカードバトル型ゲームが受け入れられ、各社さんも投入してきています。そうすると、ユーザーは「どれを遊んでも同じじゃないか」と飽きてしまう。そうならないために、新たなゲーム性を盛り込んだものを仕込んでおり、その投入タイミングを見計らっているところです。ただ、今年1年は、まだカードバトル型で楽しんでいただこうと考えています。
『スター・ウォーズ コレクション』もカードバトル型。3月公開の映画『STAR WARS エピソードI/ファントム・メナス 3D』に合わせて、しっかり展開していきたいです。
アミューズメントもスマホ・ソーシャルと連動
――先日開催された「AOU2012アミューズメント・エキスポ」では、アミューズメント機とソーシャルゲームとの連動を打ち出した出展がありました。
田中氏:スマートフォンやソーシャルゲームと連動させたタイトル『VenusFountain(ヴィーナスファウンテン)』『エターナルナイツTRUST』『スティールクロニクル』など、非常に反応はいいですね。ソーシャル時代の新しい遊び方を提案するため、これまで「つながる」という1つのキーワードで、ずっとゲームに取り組んできましたので、それが、やっといろんな形で芽が出てきたと感じています。
――アミューズメント機と連動するスマートフォンやソーシャルゲームの制作は、同じチームで行なっているのですか。
田中氏:同じチームで制作しています。かつてはデバイスやプラットフォーム別に制作会社を分社化させていました。しかし、これからはネットが普及し、プラットフォームの垣根がなくなり、コンテンツが軸になるということが見えていましたから、制作会社を一気に合併したのです。
――最近のアミューズメント施設の景況感はいかがですか。
田中氏:お客様の数はあまり変わっていないようですが、最近は高齢者の方が増えていて、メダルゲームを中心に長時間遊ばれる傾向にあります。
今回のAOUでも、高齢者の方を意識して、文字や絵が大きく表示されるメダルゲーム機を出展しました。タッチパネルのスクリーン上でメダルを扱えるような仕組みにしています。
――高齢者を含めた大人向けにはカジノのようなゴージャスな雰囲気が受け入れられるでしょうね。
田中氏:求められますね。ラスベガスのカジノのような演出が喜ばれますね。メダルゲーム機向けのシステム「MILLIONET(ミリオネット)」でゲーム機を連携させることで、ジャックポット(大当たり)が1つの台で出ると、つながっているすべての台で光と音が同調して盛り上がる仕組みです。本場のカジノさながらの光景ですね。