設計力向上 開発手法と支援ツールの動向・事例
 

第2回:日本の学会で発表した発明は中国で特許権を取得できるか

小町 澄輝=創英国際特許法律事務所 弁理士
2012/04/04 00:00
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【事例】
 生産技術課のエンジニアであるAさんが新しい樹脂成形法を開発し、日本で開催された「関東樹脂成形学会」(架空の学会)において論文発表をしました。この樹脂成形法は、今までの成形法では解決できない問題をクリアできるので、大きな反響を呼びました。

 その情報を聞いた知財部のB課長は、「この成形法は新しい発明なので、是非特許出願をして保護しましょう。本来は発表前に出願すべきでしたが、特許法30条の新規性喪失例外適用を受けられるので、問題はありません」とAさんに伝えました。

 翌日、Aさんは社内の廊下で知財部のC部長とすれ違った際に呼び止められ、「Aくん、あなたが開発した新しい樹脂成形法は実に素晴らしい! 社長が大変喜んでいて、早く中国・蘇州の主力工場に導入したいと仰っていました。早速その発明を中国でも出願しましょう」と言いました。

 AさんはC部長に対し、「ありがとうございます。昨日B課長から、出願前に発表していても30条を適用すれば問題ないと言われました。中国でも同じようにすれば大丈夫だと思います」と満面の笑みを浮かべ返事をしました。


【解説】
 さて、Aさんが開発した樹脂成形法は中国の特許権を取得できるのでしょうか。実は、Aさんの発明は素晴らしいものであるにもかかわらず、中国で特許を取れない可能性が高いのです。それを解説する前に、まず、上記事例で言及された「新規性喪失例外」について簡単に説明します。

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