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第2回:安心しろ,絶対に間に合わない(下)

山田 剛良=日経エレクトロニクス
2011/11/22 00:00
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出典:日経エレクトロニクス、2006年11月6日号 、pp.134~135 (記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

【前回より続く】

 須永らの逆提案にシャープは飛び付く。ザウルスを開発していた情報通信事業本部 新携帯端末事業部(2006年10月1日付で通信融合端末事業部に名称変更)は,事業の先行きに不安を持っていたからだ。国内外のPDA市場は縮小が続いており,熱狂的なユーザーを抱えるザウルスといえども安泰とはとてもいえない。W-ZERO3の企画を担当した同事業部 第1商品企画部 部長の中川潤子は「新しい端末で,ウィルコムと一緒に新しい市場を創りたいという思いは強かった」と話す。

シャープの中川潤子氏

一緒に新しい市場を創りたい

 W-SIMが利用できることもシャープを後押しした。W-SIMは音声とデータ両方を含むPHSの通信機能とアンテナをモジュール化したもの。機器側はW-SIMを制御するソフトウエアなどを用意するだけでPHS機器が作れる。新携帯端末事業部の技術陣はPHS機器の開発経験が皆無だったが,W-SIMを使えるならハンディは少ない。「無線機器を一から開発するならテストなどを含めて少なくとも2年は必要。だが,W-SIMを使えるならその開発をかなり省略できる」(中川)。

 あとはウィルコムを納得させる機器を提案できるかどうかだ。ウィルコムからの逆提案を受けてから2カ月近くかけ,シャープは製品コンセプトを練りに練った。ウィルコムが求める条件を整理すると三つになる。

 ① 電話として使える

 ② パソコンのように使える

 ③ 価格は5万円以下

表 W-ZERO3の初代機「WS003SH」と基となったザウルス「SL-C1000」の仕様比較。網掛け部分が共通している型番
[画像のクリックで拡大表示]

 開発の基盤とする機種は発売直前のザウルス「SL-C1000」に決めた。ただし,そのままではサイズが問題になる。SL-C1000は幅が87mmあり,片手で持って携帯電話機のように通話するには無理がある。一方,3.7型の大型液晶ディスプレイは使いたい。両者の兼ね合いから幅は70mmと決まった。

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