樹脂成形品の設計においては、強度や意匠だけではなく、成形性への考慮も求められる。金型だけで不具合をカバーしきれなければ製品設計から見直すことになり、結局、金型の修正や作り直しが必要となる。そこで、成形状態をあらかじめ予測する樹脂流動解析ツールが利用されている。ツールやコンピュータの進化で設計者でも使えるようになってきた。しかし、正しい答え、精度の高い解析結果を得るには、適切なモデルの作り方や条件設定の仕方を知る必要がある。基礎的な考え方と解析モデル作製のコツ、解析結果の評価のポイントについて、西山氏と北御門氏に解説してもらう。

西山昭宏
セイコーエプソン経営戦略室事業基盤サポート部(2006年記事掲載時)
富士通の関連会社にてモールド筐体の設計,金型設計などに携わる。2000年よりセイコーエプソンCAE推進部門で樹脂流動解析の導入支援などを推進し,コスト削減に向けた業務に携わっている。

北御門武志
高城精機製作所CADCAM課CADグループ(2006年記事掲載時)
1996年に高城精機製作所へ入社。その後プラスチック射出成形用金型の設計を主業務とする。2004年の樹脂流動解析ソフト導入後,同社内の樹脂流動解析の責任者として金型のトータルコスト削減に務めている(同)