エレクトロニクスやICT技術を活用した医療/ヘルスケアである「デジタルヘルス」。新たな産業として,今後の市場創出に大きな注目が集まっている。この新しい市場の行方を占うべく,各界の識者5人によるパネル討論を実施した。進行を務めたのは,慶応義塾大学の秋山氏。パネリストには経済産業省の加藤氏,ギブン・イメージングの河上氏, ITジャーナリストの趙氏,東京大学の梅田氏を迎えた。(本誌)
連載
「デジタルヘルス」 市場創出のカギは?
目次
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第3回:データは誰が使う?想定外の活用法の模索も
秋山氏 今,指摘があったように,蓄積したデータは活用してこそ価値が生まれます。そもそも日本では,ナショナル・データベースがありません。韓国ではどうですか?
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第2回:技術よりも制度や法律に壁データ・マイニングも課題
秋山氏 皆さんのお話からは,デジタルヘルスはかなり可能性のある市場だと感じます。一方で,現実的にはまだまだこれからの市場です。実際,利益を上げつつあるプレーヤーもいれば,既に当初の利益が見込めずに撤退してしまったプレーヤーもいます。それ自体が,この市場の難しさを示していると思います。今後,市場を広げ…
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第1回:日本発で世界に売り込む,標準化や互換性もカギに
秋山氏 今日は「デジタルヘルス」に関して議論していくわけですが,現時点でこの分野は実証実験の段階で,実運用のフェーズには入っていない状況にあると思います。パネリストの皆さんは,デジタルヘルスという市場を,どのようにとらえていますか?