デジタル家電の“顔”であるディスプレイ。今回のCEATECでは,モバイル機器などに向けた20型以下の比較的小さなディスプレイに関する技術展示が来場者の注目を集めた。映像の臨場感のさらなる向上や低消費電力化に向けた技術などが数多く登場した。今回展示された技術のいくつかは,いずれは30型を超える大画面テレビなどの用途に応用されていきそうだ。

裸眼3Dテレビが登場

 ここ数年のディスプレイの開発トレンドであった3D表示技術。今回のCEATECでは,臨場感を高めた映像表示を目指し,専用メガネを必要としない裸眼での3D表示に対応したディスプレイを,東芝や日立ディスプレイズ,シャープなどが出展した。

 中でも注目を集めたのは,東芝が2010年12月下旬に発売する裸眼3D対応の20型と12型の液晶テレビ「グラスレス3D REGZA GL1」である(図11)。他社に先駆けて製品化した「裸眼3Dテレビ」の完成度を見極めようと,同社の特設ブースには来場者の長蛇の列ができた。

図11 裸眼3D対応で攻める東芝
東芝は,裸眼で3D映像を見られる液晶テレビ2機種(20型と12型)を製品化する(a)。裸眼での3D表示 に対応した,56型の液晶テレビと12型のノート・パソコンの試作機も披露した(b,c)。ノート・パソコン は部分的に,通常の2D映像を3D映像に変換できる。
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