独自の機能を持つ製品やサービスであふれ,“ガラパゴス”と揶揄されることが多い日本市場。
2010年のCEATECから分かったことは,日本発の取り組みは提案力で輝きを失っていないばかりか,世界を驚かすだけの素地をまだ十分に備えていることである。再生に向けた胎動を感じる。
連載
CEATEC2010を振り返る
目次
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第6回:クルマ編 充電関連部品の出展が相次ぐ
2010年12月にいよいよ,EVの本命との呼び声が高い日産自動車の「リーフ」が発売される。発売を間近に控えた今回のCEATECでは,リーフ向けの電装品の出展が相次いだ。
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第5回:エネルギー編 創・蓄・省エネに加えて, “送エネ”が活況
エネルギー関連の展示では,創エネや蓄エネ,省エネのほかに,エネルギー利用の利便性を高める“送エネ”の展示が相次いだ(図15)。非接触で機器に電力を送るワイヤレス給電(非接触充電)である。機器をケーブルでつなぐ手間を省くことができるため,電力を利用する機器が増えるのに伴って欠かせない技術になりそうだ。
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第4回:ディスプレイ編 裸眼3Dテレビが大人気,触覚を得られる展示も
デジタル家電の“顔”であるディスプレイ。今回のCEATECでは,モバイル機器などに向けた20型以下の比較的小さなディスプレイに関する技術展示が来場者の注目を集めた。映像の臨場感のさらなる向上や低消費電力化に向けた技術などが数多く登場した。今回展示された技術のいくつかは,いずれは30型を超える大画面テ…
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第3回:ヘルスケア編 各社がこぞって展示,利用シーンを想起させる応用相次ぐ
今回のCEATECでは,ヘルスケア関連の展示が相次いだ。次世代の有望市場として,この分野に各社がこぞって身を乗りだし始めていることをうかがわせた。
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第2回:モバイル編 クルマや家電機器との連携が一気に進む
「2011年には携帯電話機の新規販売の大半がスマートフォンになる」(KDDI 代表取締役 執行役員専務の田中孝司氏)。今,続々とスマートフォンが市場に投入されている。モバイル分野では,スマートフォンが1人に1台行き渡ると踏み,その時代を見越した製品やサービスの展示が目立った。
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第1回:総論“ガラパゴス”を強さの源泉に
スマートフォンとその周囲にある機器が連携することで,機器に新しい使い方が付け加わったり,新しい楽しみ方が広がったりする─。「CEATEC JAPAN 2010」を通して垣間見えたのはそんな未来の姿だった。