マツダは、次世代車両技術「SKYACTIV」を発表した。
エンジン、変速機、車体、シャシーといったクルマの基本部分をすべて刷新するという巨大プロジェクトだ。
モータによるアシストなしに30km/Lの燃費を実現、ガソリンエンジンでもディーゼルエンジンでも圧縮比14.0、車体質量の100Kg軽量化ーーなど、画期的な数字を達成した同技術の全貌に迫る。
連載
マツダ SKYACTIVの全貌
目次
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第4回:シャシーは14%軽量化
このほか特徴的な構造としては、センタートンネルを補強する大型の補強材がある(図13)。センタートンネルの開きを抑え、車体のねじり剛性を向上させる効果を狙った。
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第3回:ディーゼル初の2ステージターボ
こうしたメリットがあるにもかかわらず、これまでディーゼルエンジンの圧縮比を下げられなかった理由は、低温始動性が低下する、暖気運転中に半失火が生じてしまう、などの問題があったからだ。これに対応するため、マツダは1燃焼当たり最大で9回の噴射が可能な応答性の高いピエゾインジェクタを採用。この噴射の自由度を…
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第2回:排気マニホールドを長く
残留ガスを減らすうえで障害になったのが排気マニホールドだった。最近のエンジンは、触媒を早期に活性化するため、なるべく排気マニホールドを短くし、エンジン直後に触媒を配置する構造のものが多い。しかし排気マニホールドの集合部までの距離が短いと、図5(a)の上に示すように、3番気筒の排気バルブが開いた直後に…
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第1回:ハイブリット車と同じ燃費
2011年前半に発売する次世代エンジン搭載の「デミオ」で、モータによるアシストなしに、10・15モード燃費30 km/Lを実現する─。マツダが10月20日に発表した次世代車両技術「SKYACTIV(スカイアクティブ)」は、自動車業界で大きな反響を呼んだ。というのも、30km/Lという燃費が、マツダの…