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リコー 沼津事業所

ラインの長さを1/6に、個の「環境力」で実現

高田 憲一=日経ものづくり,吉田 勝=日経ものづくり,池松 由香=日経ものづくり
2011/07/27 00:00
出典:日経ものづくり、2010年1月号 、pp.50-52 (記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
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●所在地:静岡県沼津市 ●敷地面積:11万9575?
●従業員数:2008人(2009年11月時点) ●主要生産品目:有機光半導体(OPC),トナー,現像剤

 小さく,安く,簡単に運べて,即稼働して環境経営に適した設備─リコーの生産事業本部が掲げる生産設備のコンセプトだ。同事業本部の中でも,感光体やトナー,現像剤など画像システム機器に使用するサプライ製品を生産するRS事業部は,特に環境対策に力を入れている。マザー工場である沼津事業所を中心に,冒頭の方針に沿った生産設備の改善活動を展開。その活動が実り,OPC(Organic Photoconductors)ドラムの生産ラインでは排出される二酸化炭素(CO2)を従来の大型ラインに比べて1/8に削減するなどの実績を上げている。

設備導入からプロセス改革へ

 RS事業部における省エネルギ対策は早くから始まっていた。エネルギの効率的な利用を狙って,1999年にユーティリティ設備やインフラ整備の改善に着手。小型ガスボイラやコージェネレーションの導入,ファンやモータのインバータ化,高効率ターボ冷凍機の投入などによって,1998年度に全体の47%を占めていたユーティリティに起因するCO2排出量を,2001年に21%まで低減した(図1)。

タイトル
図1●リコー RS事業部における省エネルギ化への取り組み
インバータ化やコージェネレーションの導入など,エネルギの効率的利用を図るためのユーティリティの整備が一巡した後,取り組みの中核は生産現場のプロセス改革へと移っている。

 だが,CO2排出の残る8割は生産プロセスに由来する。そこで,2002年からはその改革に着手。具体的には,トナー充てん機などの製造装置の小型化や生産性の向上など,現場の生産ラインに密着した省エネルギ活動を展開してきた。

 さらに2005年からは,その活動を一層進化させるため品質工学や統計手法も積極的に取り入れている。科学的手法に基づいた評価や対策検討を行い,活動の精度向上を図る狙いだ。どの工程,どの装置でどれくらいのエネルギを使っているのかを一覧で示す「エネルギーマップ」や,同種の製品で性能を比較する「スペックシート」など独自の手法も取り入れている。エネルギーマップは,エネルギの総使用量を,ライン/工程/設備/装置へとブレークダウンして分析したもので,どこのエネルギ使用料を削減すれば省エネ効果が大きいかがすぐに把握できる。

 こうした活動を通し,新しい生産設備を開発して省エネルギを実現している。2010年には目標のCO2排出量12%削減を十分達成し,削減量を22%まで上積みできる見込みだ。

 ただし,同事業部には,環境対策の特別組織はない。省エネ化は,あくまで生産効率やコストダウンを追求する生産プロセス改革の一環。従って,現場を知る各製品分野の担当技術者が,戦略テーマ報告会で事業部長に改革を提案・報告するという体制で進めてきた。「この推進体制が一つのポイント。工場の改善活動の生命線はあくまで生産技術部隊にある」(同事業部副事業部長の長本清隆氏)。そのため,設備投資についても環境対策だからと特別視はせず,3年で初期投資を回収できることが一つの目安となっている。

小型で安価で,環境にもよい

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