Altera社のHu氏
Altera社のHu氏

 「FPGAによるASIC/ASSPの置き換えを加速したい」(米Altera Corp.,Vice President,Product & Corporate MarketingのVince Hu氏)。FPGAメーカーのAltera社が,開発中の28nm世代FPGAについて,性能をより高めつつ,さらなる低コスト化を図る新技術を明らかにした(図1)。新技術は三つある(図2)。 ①FPGAに埋め込み可能なカスタム対応のハードIPブロック「Embedded HardCopy Block」,② 1チャネル当たり28Gビット/秒の高速トランシーバ,そして③ FPGAの他の領域を動作させたまま,一部分だけ再構成できる「パーシャル・リコンフィギュレーション」,である。

図1 微細化だけでは難しい小面積・低電力・高速化を実現
Altera社が28nm世代のFPGAから導入する三つの新技術の導入効果を示した。微細化単体 の効果を大きく上回る回路面積削減と低消費電力化,入出力性能の向上を実現できる。
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図2 28nm世代のFPGAから導入する三つの新技術
Altera社が28nm世代からFPGAに導入する三つの新技術とは,カスタム対応のハードIPブロ ック「Embedded HardCopy Block」,1チャネル当たり28Gビット/秒の高速トランシーバ技 術,パーシャル・リコンフィギュレーション(部分再構成)技術である。
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 Altera社の狙いは,これらの三つの新技術を導入し,微細化だけでは実現できない水準の低コスト化・低消費電力化・高性能化を達成することにある。Altera社によれば,FPGAを含むPLDの2009年の市場規模は約30億米ドルであるのに対して,同年のASIC/ASSPの市場規模は約760億米ドルと巨大である。このうち,パソコン関連機器やビデオ・ゲーム,携帯型メディア・プレーヤーなどの民生機器向け,および携帯電話機向けのASIC/ASSPを除いても,PLDが代替可能なASIC/ASSPの市場規模は約280億米ドルと,依然としてPLDの10倍近くある。Altera社は従来の微細化に加えて,革新的な回路技術などを導入し,悲願とも言えるFPGAによるASIC/ASSPの代替を,前倒しで進めることを目指す。