COLLEGE 製造業の“本当”を探求
 
中山 力=日経ものづくり
2011/06/14 00:00
出典:日経ものづくり、2007年5月号 、pp.261~265 (記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
印刷用ページ

【前回のあらすじ】4.6LのV型8気筒エンジンと8速自動変速機の組み合わせによって,レクサスLSの走りは十分に満足いくレベルになると,チーフエンジニアの吉田守孝は確信した。そんな走りに加えてもう一つ,ぜひとも次期LSで実現したいもの,それが世界最高レベルの安全性の高さだった。衝突事故による被害を極力減らすのはもちろんだが,その前に,衝突事故そのものを減らせないのか―。衝突を避けるクルマの実現に向けての開発が始まった。

藤田浩一 トヨタ自動車 車両技術本部第2電子技術部第24電
藤田浩一 トヨタ自動車 車両技術本部第2電子技術部第24電 子室室長 兼 第1車両技術部車両安全室主査  
写真:栗原克己
フロントウインドウ内側の上端に取り付けたステレオカ
フロントウインドウ内側の上端に取り付けたステレオカ メラ 

 危険を検知したらクルマが危険回避に積極的に介在する―。21世紀のクルマと安全性の在り方をこう描くトヨタ自動車の吉田守孝は,自らがチーフエンジニア(CE)を務める次期レクサスLSこそ,道を付けるのにふさわしいと考えていた。

 その安全システムのベースになるのが,1990年代後半から本格的に開発が始まった「プリクラッシュ・セーフティ・システム」と呼ばれる技術だ。このシステムは,2003年8月にマイナーチェンジする予定のセルシオ(現行のLS)へ搭載することを目標に開発が進められており,その半年前に発売される「ハリアー」にもその一部機能を載せることが決まっていた。次期LSでは,この技術をいかに進化させるかが鍵だと考えた吉田は,先行開発部隊を訪ねていた。

「プリクラッシュの開発は順調に進んでいるかな?」

「ええ,おかげさまで」

「そのシステムの概要をあらためて説明してほしいんだが…」

「はい。まず障害物は,車体の前方に設置したミリ波レーダによって検知します。この情報を基に,衝突の危険が高いと判断した場合,ドライバーのブレーキ操作に応じて制動力をアシストします。それでも衝突を避けられないと判断したら,シートベルトを巻き取って被害を軽減するんです」

「すると,自動的に動くのはシートベルトの巻き取り機構だけか。ブレーキに関しては,ドライバーが踏んで初めて作動するというわけだ」

「ええ,ハリアーではその予定です」

「このシステムだけど,ハリアーの3年半後,つまり2006年の夏から秋にかけてはどこまで進化させられるかなあ」

「そうですね,なんとか歩行者の検知をやりたいと思っています」

ここから先は日経テクノロジーオンライン会員の方のみ、お読みいただけます。
・会員登録済みの方は、左下の「ログイン」ボタンをクリックしてログイン完了後にご参照ください。
・会員登録がお済みでない方は、右下の会員登録ボタンをクリックして、会員登録を完了させてからご参照ください。会員登録は無料です。

マイページ

マイページのご利用には日経テクノロジーオンラインの会員登録が必要です。

マイページでは記事のクリッピング(ブックマーク)、登録したキーワードを含む新着記事の表示(Myキーワード)、登録した連載の新着記事表示(連載ウォッチ)が利用できます。

協力メディア&
関連サイト

  • 日経エレクトロニクス
  • 日経ものづくり
  • 日経Automotive
  • 日経デジタルヘルス
  • メガソーラービジネス
  • 明日をつむぐテクノロジー
  • 新・公民連携最前線
  • 技術者塾

Follow Us

  • Facebook
  • Twitter
  • RSS

お薦めトピック

日経テクノロジーオンラインSpecial

記事ランキング