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 日本の女性が発症するがんの中で、最も発生率が高いのが、乳がんである。胃がんなど発生率の減少傾向が続くがんがある一方で、乳がんを発症する患者の比率や、それによる死亡率は今後も増え続けると予測されている。  

 乳がんの検診といえば、以前は触診が頼りだった。最近では乳房X線撮影装置(マンモグラフィ)が登場し、細かな病変組織を観察できるようになってきたが、X線を利用するため被ばくがあることや、乳房を装置の測定部に挟み込むため「痛み」を伴う。女性にとって乳がん検診は、敬遠したくなるような検査であるのが実態だ。  

 この乳がんの検査を、電子技術などを応用することで、より手軽で身近なものにしようとする取り組みが出てきている。例えば、口臭や体臭などのにおいで検査できる、自宅で自らが簡単に検査できる、といった具合である。決して、マンモグラフィなどによる精密な検査を置き換えようとするものではなく、日常生活の中での“スクリーニング”的な位置付けを狙ったものである。  

 一方、マンモグラフィの診断画像を3D表示させるためのモニターも登場してきた。このような、次世代の乳がん検査に向けた幾つかの取り組みを、これまで日経エレクトロニクスなどに掲載してきた記事から抜粋し、紹介していく。

第1回:「におい」で調べる、ケータイへの実装も
第2回:DNAチップを使った予後予測検査サービス
第3回:薬局などで手に入る自宅用センサ
第4回:3D表示でマンモグラフィ画像を診る