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狩集 浩志=日経エレクトロニクス
2011/05/12 00:00
出典:日経エレクトロニクス、2011年1月10日号 、pp.120~121 (記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
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「モチモチで甘い。本当においしい」

 佐野の反応は予想以上に大きく,三洋電機全社を挙げての強化育成事業となった。2010年初頭には,三洋電機本体のプロモーションや渉外,海外営業,広報などの部署を含めたプロジェクト・チームが結成される。

 そして,2010年春,新ベーカリーの商品名が「GOPAN(ゴパン)」と正式に決まった。ゴパンという呼び名には「ベタすぎる」という社内の声もあったが,広告代理店など外部との決定会議ではゴパンを支持する声が圧倒的多数だった。最終的には海外展開も考慮して“GOPAN”とローマ字で表記することになったのだ。

社長から“ダメ出し”

 プロジェクト・チームでプロモーションや渉外を担当していたのが,古長亮二(現・三洋電機 マーケティング本部 事業企画部 マーケティング二課 課長)である。古長は,二つのプロモーションの方向性を打ち出すべく奮闘を始める。それは,社会的な価値の創出と,新しいホームベーカリーに対する認知度向上だった。

 前者の社会的な価値観の創出については,新ベーカリーを長期的な価値を持つものにするために新たな価値観の付加が求められ,佐野からはプロモーションの提案について「もっとやれるはず」と何度も“ダメ出し”を受けたという。

 古長は,GOPANによる国産米の消費拡大,それに伴う食料自給率の上昇,また,地産地消の推進といったプロモーションを進めるため,農林水産省や自治体,農業協同組合(JA)などとの接触を図り始める。

 苦労したのが,これまで農水省との接点がほとんどなかったことである。それこそ手探り状態で話を進めていく。何度も農水省に通ってGOPANのコンセプトを説明し,理解してもらう。そして,GOPANの発表が目前に迫る頃,同省の幹部が集まる場で説明会を実施し,試食してもらうところまでこぎ着けた。

いつでも試食できる場所

三洋電機 マーケティング本部
事業企画部 マーケティング二課
課長の古長亮二氏

 新ベーカリーに対する認知度を高める方法についても古長は模索していた。テレビ・コマーシャルの展開や,料理レシピを検索できるWebサイト「クックパッド」との連携などは当初から考えていたものの,GOPANの体感者を増やすプロモーションを展開したいという思いがあった。「GOPANで作ったパンを,食べ物などに対して感度の高い主婦層にぜひ試食してもらいたい」。そう感じていたのだ。

 プロジェクト・チームの会議では,幹部から「何か店でもやったらどうだ」とのアドバイスをもらっていた。古長はプロモーション・チームのメンバーと,体感者を増やす具体的な方法について話し合いを重ねていた。

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