これまでのディスプレイの常識を覆す,革新的なFPD技術の研究開発や事業展開が加速している。特に目立つのが、タッチ入力、有機EL、フレキシブル、3次元(3D)映像の技術だ。「枠の中に映像が表示される板状の部品」という従来の概念を超えて、FPDの未来を切り開く。その決め手となる技術である。従来の電子機器を一変させ、新たな市場を創出する可能性を秘める。これら四つのFPD技術の最新動向を解説する。
連載
FPDの未来 ―Displayを越えて―
目次
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第4回:フィルム技術が急進展、静電容量式タッチ・パネルにも採用へ
フィルム技術の進展が、スマートフォンやタブレット端末に使われている静電容量式タッチ・パネルを大きく変えようとしている。静電容量式タッチ・パネルでは、ガラス基板のみを使ったものがほとんどだった。しかし、ここに樹脂フィルム基板を持ち込む動きが加速している。タッチ・センサ基板の材料をガラスからフィルムに…
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第3回:倍々ゲームで市場成長する有機EL、フレキシブル・ディスプレイの量産にも挑む
スマートフォン旋風を追い風として、有機ELパネル市場が急成長している。この1~2年は倍々ゲームの勢いだ。米DisplaySearch社の2010年第4四半期版の有機EL市場予測によると、携帯電話機のメイン画面向け有機ELパネルの出荷数量は、2009年の2079万枚に対して、2010年は4441万枚…
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第2回:急拡大するタッチ・パネル市場、工場も液晶パネルから転換
タッチ・パネル市場の成長が目覚ましい。「2013年には1兆円規模を超える見込み」(米DisplaySearch社)だ。わずか1年足らずの間に、1兆円市場の達成時期の見通しは1年前倒しになった。大方の予想を上回る携帯電話機へのタッチ・パネル搭載比率の上昇とタブレット端末市場の立ち上がりにより、タッチ…
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第1回:タッチ入力、有機EL、フレキシブル、3Dで、FPDの常識を打破
映像を表示するだけでなく、映像を触って操作する。板のように硬い物ではなく、紙や布のように柔らかい。窓のように後方が透けて見える――。こうした、従来のディスプレイの常識を覆す,革新的なFPD技術の研究開発や事業展開が加速している。特に著しい進展を見せているのが、タッチ入力、有機EL、フレキシブル、3…