タイトル

異様な盛り上がりを見せる電気自動車。新聞やテレビ,一般誌などがこぞってその動向を報じ,今売れ筋のハイブリッド車を超える「次世代車の本命」とみて量産に打って出る自動車メーカーも現れた。世間の耳目は,航続距離や充電設備,価格といった電気自動車の仕様に集まっている。しかし,現時点の仕様をもって電気自動車の将来は語れない。電気自動車の中身は,まさに「デジタル家電」。機械系伝達部品が,電気・電子部品とケーブルにガラリと置き換わる。高度な機械技術をウリにしてきた自動車産業は,その食いぶちをどうするかという問題を突き付けられることになる。それが,電気自動車が製造業に与える本質だ。