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どこまで広がるのか社員100万人の「鴻海」圏

第4回:新規事業での取り組み

  • 大槻智洋=台北科技市場研究、NE特約記者
  • 2011/04/07 00:00
  • 1/2ページ

 以上のようにHon Haiグループは,既存事業の多くで勢力を拡大した。しかし,それだけに今後,成長の余地が少なくなっている。同グループにとって高い売上高成長率は,成長の原資である。それが株価を引き上げ,工場設備や企業の購入に向けた資金調達を容易にするからだ。実際,同グループの株主資本(純資産)は,売上高と同じペースで増えてきた(図7)。

図7 売上高成長が止まると黄色信号
Hon Haiグループは分厚い株主資本(純資産)を持つ(a)。売上高の高成長→高株価→直接金融による大量資金調達→果敢な設備投資→売上高の高成長というサイクルを回してきたためだ(b)。今後も同様なことができるかどうかが同グループの行く末を左右する。
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 こうした必要性の下,Hon Haiグループは,自動車部品や太陽電池,LED照明,コンテンツ制作,医療といった分野に進出しようとしている。ただし,これらでは最終商品の組み立てを手掛けていないので前述の勝利の方程式を適用しにくい。Hon Haiグループも慎重で,上記の製品群については量産実績がほぼない。

 Hon Haiグループの郭氏は,シリコンバレーのベンチャー企業に投資することで,技術力やトレンドへの追随力を高めようともしている。2010年11月には Si系Liイオン2次電池のEnovix Corp.と非圧縮無線伝送のSiBEAM, Inc.,H.264コーデックのZenverge, Inc,.,パソコンで瞬間起動を実現するソフトウエアのSplashtop Inc.,仮想化ソフトウエアのPancetera Software, Inc.に対する投資と経営支援を発表した。

 一方,原価低減を狙った新事業もある。これまで社外から調達していた工作機械や測定器,半導体を内製化し,莫大な量を消費しようと考えている。以下では自動車部品とコストダウンに向けた新事業に関してHon Haiグループの動きを見てみよう。

クルマ/バイク用部品: ついに量産出荷開始

 Hon Haiグループは,民生機器の筐体製造で培ったMg合金やAl合金の加工技術を自動車部品に応用する研究を5年以上続けている。特徴として訴求しているのは,軽さと電子産業仕込みの短い設計期間である。同グループの自動車部品担当者は学会「IMA 67th Annual World Magnesium Conference」において,シート・フレームにFe系金属ではなくMg合金を使えば「4割軽量化できる。設計期間は,ベースとなるFe系金属品があれば5日」と説明した(図8)。

タイトル
図8 シート・フレームを軽量化
Hon Haiグループは,クルマのシート内部にあるフレームを軽く手早く造る技術を開発している。こうした用途に向けて型締め力が3000トンのダイカスト・マシンを購入済みである。

 自動車部品事業は大きな売上高を計上するには至っていないが,2010年には製品の量産出荷を開始した。「Alダイカスト(鋳造)で製作した部品がドイツBMW AGのオートバイに使われている」(Hon Haiグループの社員)。この事業には,トヨタ自動車の高級車向けの部品製造に携わった,アイシン精機出身者などが関与している。

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