新型機では,初代機と同等以上の電池駆動時間を確保した。外出先での利用を想定するユーザーが多く,日増しに高まる長い駆動時間へのニーズに応えた形だ。筐体寸法が同程度の13型品では,初代機の約5時間から新型機では約7時間と,約40%電池駆動時間を長くした。新型機の11型品では,初代機よりも筐体寸法が小さくて薄いにもかかわらず,電池駆動時間として初代機と同等の約5時間を確保した。
このために最も貢献したのが,モジュール型SSDの採用である(図5)。MacBook Airの初代機でもSSDを搭載できたが,外形寸法が1.8インチHDDと同一のSSDを利用していた。
これに対して,新型機では細長いプリント基板にメモリ・パッケージを直接実装する,モジュール型のSSDを採用した。SSDを標準搭載とすることで,SSDに最適化した各種設計を施せた。
今回,モジュール型のSSDを使ったメリットは二つある。一つは,初代機の1.8インチSSDに比べて,体積を約70%削減できたこと。もう一つは,11型品においてメイン・ボード上に並ぶDRAM部の上に,モジュール型SSDを2段ベッドのように積み重ねて配置できるようになったことである。ただし,2段重ねにするには片面実装のモジュール型SSDを用いる必要があるため,ストレージ容量に制約がありそうだ注1)。
注1) 11型品は厚さの制約から片面実装したSSDにしか対応しない。両面実装が必要な容量(現時点では256Gバイト程度)のSSDでは,厚さが3.7mmあるからだ。13型品ではDRAMに重ねず,メイン基板上の別の場所に配置した。
モジュール型SSDを供給したのは東芝で,コネクタ形状などが特殊な品種である。SSDの厚さは,初代機では5mm以上あったものを2.2mmへと大幅に薄型化している。この薄型化により,DRAM部の上に積層できたとする。
初代機でストレージ装置用として確保していた場所には,メイン基板の形状を変更しつつ電池モジュールを敷き詰めた注2)。これが,電池駆動時間の向上に寄与した。
注2) 11型の新型機ではメイン基板の形を細長くした。基板の外形寸法は,202.5mm×69.8mmだった初代機から226.5mm×60.9mmになった。