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新型MacBook Airを分解,薄くて安価な秘密を探る

第2回:要らないものはどんどん捨てる

  • 久米 秀尚=日経エレクトロニクス
  • 2011/03/03 00:00
  • 1/2ページ

 10万円を切る価格を実現するために取り組んだコスト削減策の要となるのは,徹底的な機能の取捨選択である。星形をした極小の特殊ねじを外して内部を分析すると,大胆な割り切りを中心とした設計思想を確認できた。

 注目は,初代機では搭載されていた,キーボードのバックライトや赤外線通信機能といった“ぜいたく品”を排除したことだ。キーボードの側面に5個のLEDを配置し,キーボードの下に導光板を敷くことで,ボタンを光らせるこだわりの工夫を施していた。

 部品を選択する際には,性能を追いかけて最新の品種を採用するのではなく,価格がこなれて入手が容易なものを積極的に組み込んだ。象徴的なのが,マイクロプロセサである。初代機と同じ米Intel Corp.の「Core 2 Duo」を採用しているものの,その動作周波数は初代機の1.6GHzから,新型機(11型品)では1.4GHzに下げた品種を使っている。ある大手メーカーの技術者は「モデルチェンジ前の機種よりも低い性能のマイクロプロセサを使うのは勇気の要ること」と驚く。このマイクロプロセサの選択には熱対策という別の狙いもあり,それについては後述する。

 液晶ディスプレイは,初代機から引き続きTN(twisted nematic)方式で駆動する品種を採用している。TN液晶は,一般に視野角が狭いという欠点はあるものの,「iPhone 4」などに搭載したIPS(in-place switching)方式の品種に比べて安価に入手できる。

 部品の共通化も対策の一つだ。例えば無線モジュールやグラフィックス・プロセサ(GPU)は,同社のノート・パソコン「MacBook Pro」に搭載されているものと同じである。このほか,オーディオICは「MacBook」や小型の据置機「Mac mini」と同一の品種を用いた。

 部品単体の価格も下がっている。SSDに使うNANDフラッシュ・メモリが代表例だ。2010年10月分の大口価格は,32Gビット(4Gバイト)品が 5米ドル台の半ばである。2007年春の8Gビット(1Gバイト)品が約7.4米ドルだったため,単位容量当たりの単価は3年半ほどで1/6程度に下落したと計算できる。さらにApple社は「世界で最もフラッシュ・メモリを消費する企業」(Apple社 CEOのSteve Jobs氏)であるため,大量発注により,調達コストを抑えられる。

 もっとも,10万円を切る価格を実現したことに対して「部品メーカーは泣いているのでは」(ある部品メーカー)との声も漏れる。

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