COLLEGE 製造業の“本当”を探求
 

第3回:その程度の画質で売れるわけがない(上)

木村 雅秀=日経エレクトロニクス
2011/03/01 00:00
出典:日経エレクトロニクス、2009年4月6日号 、pp.118-120 (記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
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前編より続く

「塩路,例のPCムービーが横断化プロジェクトのテーマに選ばれたよ。あきらめなくて良かったな」

 2002年,三洋電機で動画撮影が可能なデジタル・カメラ,いわゆる「動画デジカメ」の開発を進めていた塩路昌宏(現・デジタルシステムカンパニー DI事業部 DI企画部 DI企画課 課長)は,上司である重田喜孝(現・マーケティング本部 アドバンストデザインセンター デジタルシステムデザイン部 部長)の言葉に耳を疑った。塩路が企画した動画デジカメ,通称「PCムービー」は,その開発継続が,ほぼ絶望視されていたからだ。

 これまで塩路らは,PCムービーの商品化に反対する事業部長をどうしても説得できず,途方に暮れていた。しかし,カンパニー・トップが推進する横断化プロジェクトのテーマに選ばれたとなれば,話は別である。塩路はまさに,九死に一生を得た思いだった。これで開発を続けられる─。実はこの時,開発中止を免れたPCムービーこそ,後の「Xacti DMX-C1」の原型である。

「横断化プロジェクトを使え」

左が,三洋電機 マーケティング本部 アドバンストデザインセンター デジタ ルシステムデザイン部 部長の重田喜孝氏,右が,同社 デジタルシステムカ ンパニー DI事業部 DI企画部 DI企画課 課長の塩路昌宏氏。

 話は2001年にさかのぼる。塩路は本格的な動画デジカメ「iDshot」の開発を終え,その後継機であるPCムービーの開発に着手していた。 iDshotは,VGA(640×480画素),30フレーム/秒の動画を撮影できた。PCムービーはそれを小型・低コスト化した普及モデルという位置付けである。具体的には,「お母さんが気軽に毎日使えるカメラを目指した」(塩路)という。女性でも抵抗がないカジュアルな動画デジカメを作れば,例えば平日に子供の様子を撮影しておき,休日に家族で楽しむといった用途が開けると考えた。

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