日産自動車の新型「マーチ」が日本の完成車メーカーの新興国戦略を変えようとしている。
これまで、先進国の商品をそのまま新興国に持ち込んでいたのを改め、
企画の当初から新興国を意識し、新興国の普及価格帯で
競争力のある商品を投入するとともに、
先進国での小型車の採算性を改善するのが狙いだ。
連載
マーチが変える新興国戦略
目次
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第3回:新興国で躍進するHyundai社
日産だけではない。三菱自動車は2011年に発売する排気量1.0~1.2Lクラスの世界戦略車「グローバルスモール」をタイで生産し、マーチと同様に日本向けはタイから逆輸入することを明らかにした
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第2回:ゼロから新開発
こうした、過去の新興国向けのプロジェクトと比較すると、日産の新型マーチは以下のような点が特徴といえる。
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第1回:最新技術を新興国で
日産自動車が2010年7月に発売した新型「マーチ」が売れている。発売後約 1カ月半で、受注台数が月販目標の5倍に当たる2万台を突破する好調ぶり。アイドリングストップ機構を搭載した車種が8割を占めており、クラストップの 26km/L(10・15モード)を実現した燃費性能が評価されているようだ。日本市場…