設計・生産 ものづくり現場の競争力アップに貢献する
 
木村 知史=Tech-On!
2011/02/02 00:00
出典:日経ものづくり、2005年7月号 、pp.95-97 (記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
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 では,V-3Pで鍵を握る幾つかのプロセスを詳しく解説していこう。まず最初は「ノウハウCAD」または「ナビゲーションCAD」とも呼ばれる,3次元 CADにベテラン設計者の手順を組み込んだシステム。これは,デザインデータを基にして各種の部品を配置した設計データを,迅速にかつ高い品質で作成することを目指したものだ。

 熟練した設計者であれば,デザインデータを受け取った後に,どのような戦略で攻めていくか道筋を確立している。しかも,押さえるべきポイントは必ず押さえる。ノウハウCADでは,このような道筋をすべて洗い出してフロー表を作成。このフローに沿って作業ができる仕組みを整えた。さらに,設計の過程において,これまでの製品から判断すると部品の位置関係が成立しない場合は,自動で警告を出す機能も備えている。

 ノウハウCADを利用して設計する流れはおおよそ以下の通り(図3)。まず「4ドアのセダンのドアを設計する」「ミニバンのサンルーフ付きの屋根を設計する」といったように,これから実施しようとする作業を指定する。すると,手順表がWebブラウザで提供される。手順の中に,テンプレートを呼び出す手順も規定されており,設計者はひな型となる3次元データを手に入れる。あとは基本的に,この手順表に沿って作業を進めればよい。ただし,部品の配置を変えようとしたときに過去の製品例から,例えば上限,下限などが定められている場合は,これを侵そうとするとシステムから警告を受ける。

図3●ノウハウを組み込んだ設計支援システムの考え方
従来の技術標準書を基に,ベテラン設計者の設計の進め方をすべてフロー表として作成してある。設計者がこ れから実施しようとする作業を指定すると,この手順がWeb ブラウザで参照でき,ひな型となる3 次元データ が提供される。設計者は手順に従って3 次元データを改良していく。部品の位置関係が成立しない場合などは, 警告を出す仕組みもシステムに盛り込んでいる。
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 設計者がここで決定するのは,主には部品のレイアウト。各部品の細かいモデリングは社内のモデラーや部品メーカーが担当することになる。

 電子データ化した手順表の数は実に約2万件。これまでは進め方などの点であやふやだった部分もすべて具体化して電子化した。手順を洗い出すのには,おおよそ2年間かかったという。

 手順が示されているといっても,すべて従わせるような規制は持たせていない。ある程度,自分の進め方を尊重しているからだ。ただし,必ずチェックしなければならない点は,チェック項目としてシステム上で確認しなくては先に進めない。このようなシステムを設計者に提供することで,一定レベル以上の品質確保を設計データリリース時に確保しているわけだ。

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