設計・生産 ものづくり現場の競争力アップに貢献する
 
木村 知史=Tech-On!
2011/01/31 00:00
出典:日経ものづくり、2005年7月号 、pp.94-95 (記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
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 日産自動車が2004年度,国内に投入した新型車は6種類。2004年9月に発売した「ムラーノ」を皮切りに,毎月のように新型車を発表した。そのトリを飾ったのがコンパクトカーの「ノート」。広いトランクルームを確保するなど実用性が高く,発売以降,常に売り上げランクではベスト5を維持しているヒット商品だ。

 そのノートの発表会が開催された東京都内のホテル。そこでは,説明員の口から驚くべき内容が発表された。「ノートの開発期間*1は従来の約半分である10.5カ月」。開発期間が短かいだけ,ノートは市場のニーズをとらえた商品だといえる。

*1 開発期間自動車の開発期間は、各自動車メーカーによって微妙な違いがあ る。日産の場合、デザイン部門がすべての仕事を終える「デザインフィックス」か ら,量産を開始するまでの期間を指す。

 では,10.5カ月を達成できたのはなぜなのか。その秘密は,耳慣れない言葉にあった。「V-3P」。日産社内では「ブイサンピー」と呼ばれることが多いこの言葉,実は同社がノートの開発において初めて採用した新しい開発プロセスだ。これからの,日産のさらなる躍進の鍵を握るものといってよい。

CFTからの提案だった

 V-3Pは,後で詳しく述べるように,ITを駆使して効率化を図った開発プロセスと一見取れる。しかし最初から,ITありきだったわけではない。そもそもは「開発力の向上」という大命題があり,それを実現するために突き詰めた結果,現在のプロセスが出来上がった(図1)。

図1●V-3Pの目的
V-3P の大きな目標は開発力を向上して,より顧客ニーズに合った製品を開発 すること。そのためにはノウハウを最大限活用して,開発効率を向上させて, 技術者が判断する時間を増やすことが望まれる。これを実現するために,各 種のITツールを活用している。

 V-3Pは,日産の復活を支えたとして有名になったクロスファンクショナル・チーム(CFT)*2の一つから出た提案が姿を変えたものだ。2001年初め,CFTでは顧客に魅力のある製品を提供し続けるには,開発力を強化するための改革が必要であるという議論になった。

*2 クロスファンクショナル・チーム直訳すると部門横断的な組織。日産自動 車社長兼CEOのカルロス・ゴーン氏が,日産を再建させるために多くのCFTを設 置,成果を上げたことで有名になった。

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