日産自動車が,2001年から着手した開発プロセス「V-3P」。
2005年1月に発売した新型車「ノート」で同プロセスを初めて採用した結果,
開発期間は従来の約半分である10.5カ月を実現した。
3次元CADに設計手順を盛り込む,すべての生産工程を3次元データで検討する。
このような取り組みを実施し,デザインフィックス時におけるデータの質を大幅に向上させた。
連載
日産の開発プロセス「V-3P」,開発期間を半減
目次
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第3回:すべての生産工程を疑似検証
設計データリリース時の精度を向上させるポイントとして,最後に挙げられるのが,部品が組み立てられる作業の様子を,すべて3次元データで事前に検証するという取り組み。コンピュータ上に擬似的に構築した生産ラインにおいて,クルマが完成するまでのすべての作業を検証*6。これにより,ロボットの配置や動作,作業者の…
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第2回:設計手順をナビゲート
では,V-3Pで鍵を握る幾つかのプロセスを詳しく解説していこう。まず最初は「ノウハウCAD」または「ナビゲーションCAD」とも呼ばれる,3次元 CADにベテラン設計者の手順を組み込んだシステム。これは,デザインデータを基にして各種の部品を配置した設計データを,迅速にかつ高い品質で作成することを目指し…
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第1回:開発力の強化が大命題
日産自動車が2004年度,国内に投入した新型車は6種類。2004年9月に発売した「ムラーノ」を皮切りに,毎月のように新型車を発表した。そのトリを飾ったのがコンパクトカーの「ノート」。広いトランクルームを確保するなど実用性が高く,発売以降,常に売り上げランクではベスト5を維持しているヒット商品だ。