完璧なアイデアと思われた小池スペシャルにも,量産性という弱点があった。それでもバルブの問題は,菊池元氏の活躍によってなんとか解決できた(図2,図3)。
「いやーさすが,見事なもんだ。おまえも成長したなぁ,ほんと。この調子で逆止弁の方もなんとかしてくれや。おまえなら,また,ちょちょちょいーっといじくれば,なんとかなるんだろ?」
口で言うのは簡単。でも,現実はなかなか厳しい。
「おーい,逆止弁はどうだ?」
「それが…」
「どうした?」
「なんで漏れるのか,さっぱり原因がわからなくって」
「原因がわからない?おまえなぁ,8月の発売まであと3カ月しかないんだぞ」
「いま,予想される要因をリスト・アップして片っ端からつぶそうとしてるんですが,これに結構時間がかかってて」
「何が“結構時間が”だよ。そんな悠長なことやってる場合か。ほんと,間に合わなくなるんだぞ」