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売れる商品作りを目指して開発革新~コガネイの挑戦

第2回:ハードル高い商品にもぐらたたきは通用しない

  • 富岡 恒憲=日経ものづくり
  • 2010/11/26 00:00
  • 1/1ページ

 開発した新商品が売れない──。そのボトルネックは、在庫化した顧客ニーズだ。ならば、そうしたボトルネックを解消するためにはどうすべきか──。そのアプローチを探っている間に片桐氏が出会ったのが、コンサルティング会社のアイデア(本社名古屋市)の代表取締役である前古護氏である。片桐氏は前古氏から、QFD、TRIZ、タグチメソッドといった3つの手法を連携して活用することを勧められた。この中で、片桐氏が特に関心を持ったのがQFDである。

QFDで顧客ニーズを起点に

 当時、コガネイでは商品企画・開発プロセスの革新に当たり、TRIZの活用を考えていた。TRIZは、技術的な課題を解決するためのアイデアを効率的に導けるようにする手法。問題は、TRIZが顧客ニーズを起点とせず、技術的な課題を起点としていることだった。顧客ニーズを起点としない限り、ニーズに合わないものを作ってしまう恐れがある。それを払しょくするには、顧客ニーズを技術的な課題へと落とし込める手法が必要だった。

 QFDは、顧客のニーズを起点に企業の競争力を向上するには何を解決すべきかを具体化していく、情報整理のための方法論である。二元表を駆使することで、例えば、さまざまな顧客ニーズ(要求品質)と個々の技術的な特性(品質特性)の関連性の強さを明らかにし、重要視する要求品質を高めるためにはどのような品質特性を優先的に向上させる必要があるかを明確にできる。

 そして、目指す商品にもよるが、通常、そうした向上させるべき品質特性は複数あり、それらの特性の間にはトレードオフの関係にあるものが出てくる。これらの対応関係をTRIZの技法の1つである「機能と属性の分析(FAA)」によって明らかにしていけば、解決すべき技術的な矛盾が浮き彫りになる。要するに、QFDを使えば、TRIZで解決すべき技術的な課題の候補を、顧客ニーズから抽出していくことが可能になるのである。

* 機能と属性の分析(FAA) 対象とするシステムの動作の詳細を分析できる技法。システムの構成要素を長方形で囲んで書き出し、その中に、異なる構成要素間の機能的な関係(有用な機能、有用だが不十分な機能、有用だが過剰な機能、有害な機能など)や各構成要素の属性(質量、体積、表面仕上げ、腐食への耐性など)を記入した機能分析モデルを作図していくことで動作の詳細を明らかにする。機能分析モデルが時間で変化するようなケースでは、それぞれの機能分析モデルを作成することで分析を進める。

未知に挑むからタグチメソッド

 ただ、「タグチメソッドについては、その段階ではあまり関心がなかった。その重要性に気付いたのは、それからしばらくしてのことだった」と片桐氏は打ち明ける。

 QFDを使うと、顧客にとって魅力的な仕様が何かが明確になって、今までは敬遠してきたような「性能や品質が1ケタ違った商品」を目指す必要性がはっきりしてくる。そうしたハードルが高い商品は、従来技術では実現することが難しい。

 そのため、TRIZのような手法を駆使して、従来とは一線を画する実現技術を効率的に見いだしていかなければならず、それは通常、ノウハウの蓄積がない目新しいものとなる。そして、そのような実現技術を具体的な設計に落とし込む際も、市場で不具合が発生しないレベルまで設計の堅牢性を高めなければならない。しかも、限られた期間で、である。従って、従来のもぐらたたき的な設計の作り込みでは時間が足りなくなるのは目に見えていた。タグチメソッドを使えば、そうした設計の作り込みを効率化できる。

 片桐氏らは、こうした考え方から、上記3つの手法を組み込んだ新しい商品企画・開発プロセスを目指し始めた。

(次回に続く)

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