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 ヒット商品をなかなか生み出せない──。これは、多くのメーカーが抱える悩みだ。空気圧機器や給油装置などの生産財を開発・販売するコガネイ(本社東京都小金井市)も、そうした悩みを持つ企業の1つだった。

 この悩みを解消しようと同社が取り組んだのが、商品企画・開発プロセスの革新である。TOC(制約条件の理論)、QFD(品質機能展開)、TRIZ、タグチメソッド、狩野メソッドといったさまざまな手法を組み合わせて活用することで、従来はあきらめていた「顧客には魅力的だが、実現へのハードルも高い」という商品を開発できるようになったのだ。

 実際、その成果の1つである電磁弁「INPACT V K2」シリーズ(図、後述)は、2009年7月の発売後1年以上たっても「生産能力を超える引き合いが来ている」(同社開発本部開発部開発1グループグループリーダの片桐朝彦氏)ほどの商品となっている。