化石資源に頼らない燃料として、バイオ燃料が定着してきた。
しかし、高等植物を使う今のやり方では限界がある。
面積当たりの収穫量が少なく、水も無駄に使うからだ。
その解決策として、藻を使うバイオ燃料の開発が始まった。
面積当たりの収量が現在の3~40倍と大きく、水もあまり使わない。
ただし実用化するには原価を低減することが必要だ。
CO2吸収と組み合わせるなどの工夫を模索している。
連載
最強のバイオ燃料、「藻」
目次
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第5回:シュード、ボトリオで決まりなのか
現在はシュード、ボトリオを軸に開発が進んでおり、ほかの種類は話題に上らない。関係者が「有望なのはこの2種類」と決めたように見える。筑波大学は100種類以上の藻を比較してボトリオにたどり着いたのだから、それなりの根拠もある。
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第4回:開放型のレースウエイ型が本命に
単独では価格競争力が今一つ足りなくても、副産物など、ほかの方法で収支を合わせる考え方がある。一つはCO2の吸収装置を兼ねさせる方法である。発電所、製鉄所などから出るCO2を光合成に使う。その分排出権取引でお金が入れば、結果として燃料コストを下げられる。
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第3回:コストはまだ高い
経済産業省は2010年3月5日、バイオ燃料でも「LCA(ライフ・サイクル・アセスメント)で計算したCO2削減量が50%以上ないとカーボンニュートラルとは認めない」という方針を打ち出した。これは厳しい基準で、ブラジルの既存の農地で作るサトウキビ、国内の甜菜(てんさい)、建築廃材から作った燃料しかカーボ…
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第2回:大量の燃料が採れる
とは言っても、収穫量の数字で圧倒的に負けていれば、“総合的に判断”してもらう土俵に立つこともできない。バイオ燃料が太陽電池と競おうとすれば、高等植物でなく、藻で競わなくては、勝ち目はないのである。
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第1回:化学品メーカーが開発に着手
経済産業省は2010年3月5日、バイオ燃料でも「LCA(ライフ・サイクル・アセスメント)で計算したCO2削減量が50%以上ないとカーボンニュートラルとは認めない」という方針を打ち出した。これは厳しい基準で、ブラジルの既存の農地で作るサトウキビ、国内の甜菜(てんさい)、建築廃材から作った燃料しかカーボ…