COLLEGE 製造業の“本当”を探求
 

第5回:最後の最後まで不安だった(上)

山田 剛良
2010/08/31 00:00
出典:日経エレクトロニクス、2007年3月26日号 、pp.118-120 (記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
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前編より続く

「そら無理や。なんぼなんでもファンの消費電力は100分の1にならへんよ」――。

 2003年3月のある日,掃除機部門の技術部長に相談に出向いた清水努を待っていたのは,彼のいちるの望みを打ち砕く答えだった。

「効率の良いファンに変えて何とかなりませんか」

「考え方を変えたらどうや。吸引口を小さくでけへんか? 全体の風量が小さくても,吸引口のところで流速があれば吸引力は稼げる」

15cm角,1kW,65db

エアコン技術の先行開発を担当する松下電器 松下ホームアプライアンス社 技術本部 冷熱空調研究所で,フィルタ自動清掃機構を考案した商品開発第1グループ チームリーダーの清水努氏

 清水は松下電器産業でエアコンの先行開発を担当する松下ホームアプライアンス社 技術本部 冷熱空調研究所の商品開発第1グループ 開発第1チームに所属する技術者である。当時,エアコン防塵フィルタの自動清掃機能の開発を進めていた。この後の2004年秋に発表したエアコン「Xシリーズ」が,「フィルターお掃除ロボット」として搭載する機能である。

 清水が考案したのはフィルタに付いたホコリを強制的に吸引する方式だった。フィルタ前面に可動式の細長い吸い込み口を置き,空気を吸い込みながら左右に動かして,フィルタに付着したホコリを吸い込む。つまり,エアコンにフィルタ清掃専用の掃除機を組み込むような形になる。

 このアイデアを実現するには,エアコン内に吸引用のファンが必要になる。おあつらえ向きなことに,松下電器はこの前年のモデルから換気機能を追加していた。清水は,屋内の汚れた空気を屋外に排出するこの小型ファンを,フィルタ清掃に流用しようと考えた。換気機能とセットなら,フィルタから取り除いたホコリを空気と一緒に換気口から屋外へ排出できる。たまったホコリを捨てる必要すらない。ユーザーの手を一切煩わせずにフィルタをきれいな状態に保つメンテナンス・フリーの清掃機能が実現する。

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