「このレイアウトだと,前面の先端にスペースができるよね。ここ,何かに使えるんじゃないかな」――。
 2001年秋,富士通ゼネラルの本社の一室にエアコン事業を担当するRAC事業部の技術者が集まっていた。2003年の夏商戦に投入するエアコン新製品に搭載する技術を検討するためだ。室内機のレイアウト案の図面を見ながら意見を出し合っている最中に,一人の技術者が発した何気ない一言が出発点になった。
「だったら,フィルタの自動清掃機構を入れるのはどうだろう?」