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第3回:技術は日進月歩,これまでの“常識”は通用しない

田中 直樹=Tech-On!
2010/06/24 13:00
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 タッチ・パネルは,技術が急速に進化しており,従来の“常識”が通用しなくなっている。例えば,現在主流の抵抗膜方式では,以前は「不可能」と言われていたマルチタッチが1~2年前から可能になった。iPhoneなど携帯機器に使われている静電容量方式では,「難しい」と言われていた大型パネル対応が着実に進んでいる。歩留まりや表示性能の確保が難しく量産化が進まずにいた“液晶との一体化技術”は,「オンセル」という新たな概念の導入によって実現可能になり,2010年後半にも一体型の量産が始まる見込みだ。

抵抗膜方式なのにマルチタッチ

10点以上の入力に対応したデジタル抵抗膜方式タッチ・パネル(Stantum社)
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 抵抗膜方式でマルチタッチを実現したのがフランスStantum社である。通常のアナログ抵抗膜方式に換えてデジタル抵抗膜方式(マトリクス抵抗膜方式とも呼ばれる)を採用し,マルチタッチを可能にする独自の検出技術を開発した。

 通常のアナログ抵抗膜方式では,上部基板と下部基板の電極の全面が均一な抵抗膜(透明導電膜)となっており,上部電極と下部電極が接触することで導通した点の電圧から位置を検出する。一方,Stantum社が採用したデジタル抵抗膜方式は,電極の構造が異なる。全面が均一な抵抗膜ではなく,ライン状にパターニングした抵抗膜を使う。これを交差する方向で上下に対向させて,タッチ・パネルを形成する。同社は現在,10点以上の入力に対応したデジタル抵抗膜方式タッチ・パネルの開発を進めている。

静電容量方式をタブレット端末やパソコンに

 静電容量方式の大型化対応は,各社が一斉に進めている。静電容量方式タッチ・パネルの市場領域を,従来の携帯電話機だけでなく,タブレット端末やパソコンなどにも広げようとしている。

 静電容量方式のタッチ・パネルを搭載した22型の液晶モニターを,AV機器の展示会「InfoComm2010」に出展したのが米3M社である。20点を同時に検知できる。静電容量方式用の検出ICを3個搭載しているという(Tech-On!関連記事1)。

10.1型の静電容量方式タッチ・パネルのデモ(Atmel社)
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 最大15型まで対応できる静電容量方式タッチ・パネル用コントローラIC(制御IC)の量産を,2010年6月末に開始するのが米Atmel Corp.である。同社は,2.5~5型の小型画面に対応するスマートフォン向けのコントローラIC「mXT224」を2009年 9月に製品化していた。同社は,このコントローラIC 3個とマイコン1個を使用した10.1型の静電容量方式タッチ・パネルによる評価キットを作成し,携帯電話機メーカーやパソコン・メーカーなどに向けて動作デモを実施している(Tech-On!関連記事2)。

 日立ハイテクノロジーズは,既に7型以上のディスプレイに対応するコントローラICを販売中であり,2010年内には8.9型まで対応したコントローラICを販売する計画である。日立ハイテクが販売する台湾FocalTech Systems Co., Ltd.製のコントローラICの特徴は,静電容量型の中でもマルチタッチの検出精度や反応速度の点で有利な相互容量方式と呼ばれる検出手法を採用した点にある。1個のコントローラICで8.9型まで対応できるという(Tech-On!関連記事3)。

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