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守れ、品質の誇り

第2回:グローバル化の弊害

  • 日経ものづくり編集部
  • 2010/06/08 00:00
  • 1/4ページ

 日本製品の強さの源泉の1つは、ケイレツに代表されるようなセットメーカーとサプライヤー間の強固な連携にあった。例えば、設計の初期段階から互いに協力し合うデザインインのような深い関係が、設計の意図を理解し情報を共有する上で重要な役割を果たしてきたのである。

 それが、仕様書には基本的なスペックや取り付け部などのインタフェースを指示するだけで、細部は設計を進めながら一緒に詰めていくというスタイルの仕事を可能にした。この過程で、サプライヤーは、仕様書に書いていない意図や明文化しにくい暗黙知を「あうんの呼吸」で図面に作り込んでくれたのだ。

 極論すれば、「ケイレツのような強固な関係があれば、品質保証部門は不要なほど」(元・日本品質管理学会会長で東京大学名誉教授の久米均氏)。セットメーカーは、サプライヤーと常に意思疎通を図るという緊密なコミュニケーションによって、高いレベルの品質の作り込みを担保していたのである(図4)。

図4●サプライヤーとの関係の違い
国内では暗黙の了解で済んだが、海外サプライヤーの場合は仕様を厳密に決めて契約しなくてはならない。国内と同じ感覚では意思が伝わらない。
[画像のクリックで拡大表示]

 緊密なコミュニケーションは、セットメーカーとサプライヤー間だけではない。メーカー内の部門間も同様だ。この点に、日本製品の品質の高さの要因を見いだすのが、企業の技術力を分析している東京理科大学大学院総合科学技術経営研究科教授の松島茂氏だ。同氏は、日本製品の品質は部門間や組織間の相互作用によって技術力が向上して鍛えられたとする「スパイラル仮説」を唱える*2

*2 松島氏は、技術者に数多くのヒアリングを実施しており、その聞き取りを基にスパイラル仮説を提案している

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